厚労省は2月19日に、介護の新しいデータ収集システム「LIFE(ライフ)」の活用等について事務連絡を通知しました。2021年4月から現行のCHASEとVISITを一体的に運用するにあたり、名称が「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence)」、LIFE(ライフ)となります。利用申請の方法やスケジュールを確認しておきましょう。
通所・訪問リハビリテーションのデータ収集システム「VISIT」と、高齢者の状態やケアの内容等のデータ収集システム「CHASE」を一体的に運用する、介護の新しいデータ収集システム。厚労省へのデータ提出と、フィードバックの活用により、科学的に効果が裏付けられた、自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を推進することが目的です。
2021年度介護報酬改定では「科学的介護推進体制加算」など、「LIFE」の活用が要件に含まれる加算や評価区分が新設され、「LIFE」を用いた厚労省へのデータ提出とフィードバックの活用による、PDCAサイクル・ケアの質の向上を図る取組が推進されます。
2021年度介護報酬改定で「科学的介護推進体制加算(通所系・居住系・多機能系サービス40単位/月、施設系サービス 加算Ⅰ40単位/月・加算Ⅱ60単位/月※特養は加算Ⅱ50単位/月)」が新設されるほか、個別機能訓練加算やリハマネ加算など既存の加算において、LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用によりPDCAサイクルを推進し、ケアの向上を図ることを評価する区分の新設などがあります。
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LIFE利用するためには、以下のwebサイトから利用申請を行い、ID・パスワードの発行を受けることが必要です。
https://life.mhlw.go.jp
2021年3月までにCHASEまたはVISITのいずれかを利用している場合は、そのID・パスワードを4月以降も引き続き利用することができるため、新たなID・パスワードの発行は不要です。CHASE・VISITの両方を利用している場合は、CHASEのID・パスワードに統一されます。両システムのデータ等はLIFEに引き継がれます。
①webサイトから利用申請を行う②厚労省から事業所にパスワード等が記載された圧着はがきが、簡易書留で送付される(通常、毎月25日までに利用申請があったものについて、翌月の上旬にはがき発送)③初回ログイン・IDの設定④利用者情報・様式情報の登録
利用申請ガイド
「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について 別紙3_LIFEの活用について
操作マニュアル等のweb サイトhttps://life.mhlw.go.jp/manual.html
毎月25 日までに利用申請があったものについて、翌月の上旬にはパスワード等が記載された圧着はがきが、簡易書留で送付されますが、2021年3月中のスケジュールは以下の通りです。
2021年3月11日までに利用申請した場合 ⇒ 2021年3月末からLIFE利用開始可能
2021年3月18日までに利用申請した場合 ⇒ 2021年4月上旬からLIFE利用開始可能
2021年3月25日までに利用申請した場合 ⇒ 2021年4月前半からLIFE利用開始可能
厚労省はデータ提出の内容について、各加算の詳細な要件は、今後通知で示していくとしていますが、現状では下記の様式案が示されています。原則として、様式内の自由記載の箇所を除く項目についてデータ提出を求める予定です。
現時点での様式案(一式)
「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について 別紙4-2_現時点の様式案一式
様式案一式に対して、各加算の算定にあたってLIFEへのデータ登録が必要な様式については、現状、下記の対応表が示されています。
データ提出の方法としては、LIFEのwebサイトに直接データを入力し、様式作成とデータ提出を行う方法と、様式作成のために介護ソフトに入力したデータを、LIFEへのCSV連携により提出する方法があります。
サービス提供月の翌月の10日までを期限となります。
厚労省は、排泄支援加算、褥瘡マネジメント加算、栄養マネジメント強化加算について、介護ソフト導入等に時間を要する場合のデータ提出の期限等を別途示す予定です。
データの解析結果等のフィードバックについては、サービス提供月の翌月中に、LIFEのwebサイトを通じて実施予定です(PDF 形式でダウンロードできる形式を予定)。
4月23日発出の介護保険最新情報Vol.973で、2021年4月~6月サービス提供分の加算算定については、一定の条件の場合、LIFEへのデータ提出期限を2021年8月10日まで猶予することを通知しました。
一定の条件とは以下の場合です。
・4月にLIFEに関連する加算を算定できるように、当初の期限までに新規利用申請をしたにも関わらず、新規利用申請に係るはがきの発送が遅延している場合
・4月にLIFEに関連する加算を算定できるよう、LIFEの操作マニュアル等のwebサイトを確認し、LIFEの導入等について、ヘルプデスクへの問い合わせを行っている場合であって、回答がないまたは解決に至らないことにより、期限までにデータ提出が間に合わない場合
関連記事:LIFEへのデータ提出が8月まで猶予される条件は? 4月~6月サービス提供分が対象
【LIFEヘルプデスク 連絡先】E-mail : life@toshiba-sol.co.jp
【利用申請ヘルプデスク 連絡先】電話番号:042-340-8819(平日10:00~16:00)E-mail : life@toshiba-sol.co.jp
ほかに、全国老人福祉施設協議会による「LIFEがよくわかるQ&A」など、事業者団体によるサポートコンテンツも公開されています。
「LIFEがよくわかるQ&A」(全国老人福祉施設協議会)
引用:「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について「別紙1 LIFEの活用等が要件として含まれる加算一覧」/「別添_4-1 LIFE関連加算の様式一覧」2021年2月19日厚生労働省事務連絡より
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