2021年度の介護報酬改定では、通所リハのリハビリテーションマネジメント加算(以下、リハマネ加算)について、単位数の変更や区分の新設があります。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
通所リハにおいて、「利用者の日常生活における活動の質の向上」を図るために行われる、リハビリテーションの提供を促進することを目的とし、S(Survey調査)P(Plan計画)D(Do実行)C(Check評価)A(Action改善)のサイクル構築と、リハビリテーションの継続的な管理を評価する加算です。
2021年度の介護報酬改定では、自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取組を促する観点から、評価区分の新設や単位数の見直しが行われます。
①「リハマネ加算(Ⅰ)」が廃止、基本報酬の算定要件へ
②「リハマネ加算(Ⅱ)」が「リハマネ加算(A)イ」と「リハマネ加算(A)ロ」に変更
③「リハマネ加算(Ⅲ)」が「リハマネ加算(B)イ」と「リハマネ加算(B)ロ」に変更
④「リハマネ加算(Ⅳ)」が廃止、加算(B)ロに組み替え
⑤(介護予防)リハビリテーションマネジメント加算(330単位/月)が廃止
リハマネ加算(Ⅰ):330単位/月
リハマネ加算(Ⅱ)同意日の属する月から6月以内:850単位/月同意日の属する月から6月超 :530単位/月
リハマネ加算(Ⅲ)同意日の属する月から6月以内:1,120単位/月同意日の属する月から6月超 :800単位/月
リハマネ加算(Ⅳ)同意日の属する月から6月以内:1,220単位/月同意日の属する月から6月超 :900単位/月
・リハビリテーション計画を定期的に評価し、適宜計画を見直していること
・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、ケアマネジャーを通じて、ご利用者が利用する他の介護サービスの職員に対して、リハの観点から日常生活の留意点、介護のアドバイス等の情報を伝達すること
・新規にリハビリテーション計画を作成したご利用者に、医師または医師から指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、1か月以内に自宅等を訪問し、検査等を実施すること
・医師から理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対して、リハの目的とリハ実施に伴う指示があること(開始前・リハ中の注意点、リハ中止の基準、ご利用者にかかる負荷)
・リハ実施に伴う指示内容がわかるように記録すること
①リハビリテーション計画について、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がご利用者またはそのご家族に説明を行い、同意を得て、その内容等を医師に報告すること
②リハビリテーションの内容や目標を、リハビリテーション事業所の職員、その他関係者と共有するためのリハビリテーション会議を行い、内容の記録を行うこと(医師への共有はテレビ電話でも可)
③利用開始月から6か月以内は1か月に1回、6か月を超えた場合は3か月に1回のリハビリテーション会議を開催し、計画を適宜見直していること
④理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、ケアマネジャーに対して、リハの観点から有する能力、自立のための支援方法、日常生活の留意点等の情報を提供すること
⑤理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、ご利用者の自宅等を訪問し、ご利用者が利用する他の介護サービスの職員またはご家族に対して、リハの観点から日常生活の留意点、介護のアドバイス等を行うこと
⑥医師から理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対して、リハの目的とリハ実施に伴う指示があること(開始前・リハ中の注意点、リハ中止の基準、ご利用者にかかる負荷)
⑦以上に関し、記録を残すこと
・リハマネ加算(Ⅱ)の②・③・④・⑤・⑥・⑦の要件をすべて満たすこと
・リハビリテーション計画について、医師からご利用者またはそのご家族に説明を行い、同意を得ること
・リハマネ加算(Ⅲ)の要件すべてを満たすこと
・リハビリに関するデータを提出すること(VISIT形式)
リハマネ加算(A)イ同意日の属する月から6月以内:560単位/月同意日の属する月から6月超 :240単位/月
リハマネ加算(A)ロ同意日の属する月から6月以内:593単位/月同意日の属する月から6月超 :273単位/月
リハマネ加算(B)イ同意日の属する月から6月以内:830単位/月同意日の属する月から6月超 :510単位/月
リハマネ加算(B)ロ同意日の属する月から6月以内:863単位/月同意日の属する月から6月超 :543単位/月
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。