2021年度の介護報酬改定では、栄養マネジメント加算が廃止され、基本サービスとして取り組みが求められます。また、低栄養リスク改善加算が廃止され、「栄養マネジメント強化加算」が新たに創設されます(対象サービス:介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など)。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
- 目次
- 栄養マネジメント強化加算とは?
- 2021年報酬改定の変更ポイント
- 【改定前】2021年3月までの栄養マネジメント加算・低栄養リスク改善加算
- 【改定後】2021年4月以降の栄養マネジメント強化加算
栄養マネジメント強化加算とは?
管理栄養士による栄養マネジメントや低栄養状態の改善に向けた取組を実施し、入所者の栄養状態の改善、維持に努めた場合を評価する加算です。対象サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など。
2021年度の介護報酬改定にて、栄養ケア・マネジメントの取組を一層強化する観点から、「栄養マネジメント加算」を基本サービスに組み込み、栄養ケアを包括的に評価する「栄養マネジメント強化加算」が新設されます。
2021年報酬改定の変更ポイント
①「栄養マネジメント加算」は廃止。基本サービスへ(経過措置期間3年)
②栄養ケア・マネジメントに関する取組が未実施の場合、14単位/日の減算が新設
③「低栄養リスク改善加算」は廃止
④「栄養マネジメント強化加算」11単位/日が新設
【改定前】2021年3月までの栄養マネジメント加算・低栄養リスク改善加算
単位数
栄養マネジメント加算:14単位/月
低栄養リスク改善加算:300単位/月
「栄養マネジメント加算」の算定要件等
・常勤の管理栄養士を1名以上配置すること(同一敷地の施設で兼務可。ただし該当管理栄養士は2か所までの兼務とする。)
・施設入所時に入所者の栄養状態を確認し、管理栄養士、医師、歯科医師、看護師、介護支援専門員、その他の職種が共同して、入所者ごとの摂取、嚥下機能、食形態に配慮した栄養ケア計画を作成し、入所者・家族に説明し、同意を得ること
・栄養ケア計画に基づき、個別的な栄養管理を行うと共に、入所者の栄養状態を定期的に記録すること
・入所者毎の栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて計画の見直しを行うこと
・定員超過利用減算、人員基準欠如減算による減算の基準に該当していないこと
「低栄養リスク改善加算」の算定要件等
・低栄養状態の入所者に対して、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員、他の職種が共同して栄養管理をするための会議を行うこと
・低栄養状態の改善を行うための栄養管理方法を示した栄養計画を作成し、管理栄養士等が栄養計画に沿った栄養管理を行うこと
・栄養マネジメント加算を算定していること
【改定後】2021年4月以降の栄養マネジメント強化加算
単位数
栄養マネジメント強化加算:11単位/日(新設)
栄養ケア・マネジメントの未実施:14単位/日減算(新設)
※栄養マネジメント加算、低栄養リスク改善加算は廃止
「栄養マネジメント強化加算」の算定要件等
・管理栄養士を常勤換算方式で入所者の数を50(施設に常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合は70)で除して得た数以上配置すること
・低栄養状態のリスクが高い入所者に対して、医師、管理栄養士、看護師等が共同して作成した栄養ケア計画に従い、食事の観察(ミールラウンド)を週3回以上行い、入所者ごとの栄養状態、嗜好等を踏まえた食事の調整等を実施すること
・低栄養状態のリスクが低い入所者にも、食事の際に変化を把握し、問題がある場合は、早期に対応すること
・入所者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、継続的な栄養管理の実施に当たって、当該情報その他継続的な栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用)