2021年度の介護報酬改定では、口腔衛生管理体制加算が廃止され、算定要件を一部緩和したうえで、基本サービスとして取り組みが求められます。また、「口腔衛生管理加算」に新たな評価区分が新設されます(対象サービス:介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院等)。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が入所者に対して口腔ケアを実施することを評価する加算です。対象サービスは介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など。
2021年度の介護報酬改定にて、口腔衛生管理の強化を促進する観点から、「口腔衛生管理体制加算」を基本サービスに組み込み、「口腔衛生管理加算」に新たな評価区分が設けられます。
①「口腔衛生管理体制加算」は廃止。算定要件を一部緩和して基本サービスへ(経過措置期間3年)
②「口腔衛生管理加算」が「口腔衛生管理加算(Ⅰ)」に名称変更(現行の口腔衛生管理加算と同じ)
③「口腔衛生管理加算(Ⅱ)」110単位/月が新設
④加算Ⅰ・Ⅱの併算定は不可
口腔衛生管理体制加算:30単位/月
口腔衛生管理加算:90単位/月
・歯科医または歯科医の指示を受けている歯科衛生士が、介護職員へ毎月1回以上口腔ケアに関わる技術的助言と指導をしていること
・歯科医または歯科医の指示を受けている歯科衛生士の助言や指導に基づき、口腔ケア計画書を作成していること
・口腔衛生管理体制加算を算定していること
・歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し口腔ケアを月2回以上行うこと
・歯科衛生士が、入所者に係る口腔ケアについて、介護職員に対し、具体的な技術的助言と指導を行うこと
・歯科衛生士は、口腔に関する問題点、歯科医師からの指示、口腔ケアの内容、介護職員への技術的助言と指導、その他必要な事項を記録すること
・歯科衛生士が、入所者の口腔に関する介護職員からの相談等に必要に応じ対応すること
・入所者の口腔の状態により医療保険による対応が必要となる場合には、適切な歯科医療サービスが提供されるように情報提供を行うこと
・歯科衛生士が行った口腔衛生管理についての実施記録を管理し、必要に応じて写しを入所者等に対し提供すること
口腔衛生管理加算(Ⅰ):90単位/月
口腔衛生管理加算(Ⅱ):110単位/月(新設)
※口腔衛生管理体制加算は廃止
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。