【介護経営ドットコム編集部より】
厚生労働省は7月9日、来年度の介護報酬改定に向けた審議会で、特別養護老人ホームや介護老人保健施設を取り上げました。物価高騰や人手不足により施設経営の厳しさが増すなか、関係団体からは基本報酬の大幅な引き上げを求める声が相次いでいます。介護施設の経営者・管理者にとって、次期改定の行方を注視すべきテーマです。主なポイントは以下の3点です。
①特養・老健の基本報酬引き上げを要請: 関係団体から、安定的なサービス提供には基本報酬の底上げが不可欠との意見が出されました。
②利益率の低さが論点に: 厚労省の調査では、特養・老健の利益率が全サービス平均を大きく下回っていることが示されています。
③生産性向上とあわせた支援策も課題: 基本報酬の見直しだけでなく、現場の生産性向上や経営支援をどう組み合わせるかが今後の焦点となります。
特養・老健の基本報酬「異次元の増額を」 審議会で有力団体から要請相次ぐ 来年度改定
厚生労働省は9日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会を開催し、特別養護老人ホームや介護老人保健施設を取り上げた。
共通の論点として、「安定的にサービスを提供するための方策」を提示。現場の関係者からは、現下の厳しい経営環境を踏まえて基本報酬の引き上げなどを求める声が続出した。
「物価高騰などで施設の運営コストは増大する一方だ。地域のインフラとしての役割を果たしていくためには、基本報酬の大幅な底上げが必要不可欠」 全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長はこう訴えた。
厚労省の昨年度の調査結果で利益率をみると、特養は1.4%、老健は0.6%。全サービス平均の4.7%を大幅に下回っている。全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、こうした実態を踏まえ「基本報酬の大幅な引き上げが必須」と主張。日本医師会の江澤和彦常任理事も、「多くの施設が赤字経営となっている。基本報酬の異次元の増額が不可欠」と強調した。
会合ではこのほか、自治体の立場を代表する委員からも特養や老健の経営的な支援を要請する意見が相次いだ。また、現場の生産性向上のさらなる推進などとあわせて、メリハリのある施策を検討すべきと促す委員もいた。
*出典:介護ニュースJoint