2024年度介護報酬改定以降の各単位数・算定構造が明らかに―基本報酬は訪問介護など4事業でマイナス

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2024年4月(訪問看護、訪問・通所リハ、居宅療養管理指導は6月)に実施される介護報酬改定について、具体的な単位数や要件が1月22日の社会保障審議会・介護給付費分科会で示されました。

介護人材の確保や定着に重きが置かれている今改定ですが、人材不足が著しい訪問介護をはじめ、4サービスで基本報酬がマイナスになっています。厚生労働省は、既存の処遇改善関連加算を1本化して創設する「介護職員等処遇改善加算」の加算率をほかのサービスと比べて高く設定することで、人手不足の解消につなげたいと説明しています。

※2024年2月7日追記:基本報酬がマイナスとなっている事業に「介護予防訪問リハビリテーション」を加えました。合わせてタイトルも変更しています。

2024年度介護報酬改定前後の基本報酬の比較:ほとんどのサービスでプラスに

基本報酬はほとんどのサービスでプラスとなります。

以下は訪問介護、通所介護、訪問看護、居宅介護支援及び介護福祉施設(特養)の2024年度介護報酬改定前後における基本報酬の比較です(一部を抜粋)。

サービス名 大区分 小区分 現行 改正後 増減
訪問介護 身体介護中心 20分未満の場合 167単位 163単位 -4単位
20分以上

30分未満

250単位 244単位 -6単位
30分以上

1時間未満

396単位 387単位 -9単位
1時間以上 579単位

(30分を増すごとに+84単位)

567単位

(30分を増すごとに+82単位)

-12単位
生活援助中心 20分以上45分未満 183単位 179単位 -4単位
45分以上 225単位 220単位 -5単位
通所介護

(通常規模型)

3時間以上

4時間未満

要介護1 368単位 370単位 +2単位
要介護2 421単位 423単位 +2単位
要介護3 477単位 479単位 +2単位
要介護4 530単位 533単位 +3単位
要介護5 585単位 588単位 +3単位
4時間以上

5時間未満

要介護1 386単位 388単位 +2単位
要介護2 442単位 444単位 +2単位
要介護3 500単位 502単位 +2単位
要介護4 557単位 560単位 +3単位
要介護5 614単位 617単位 +3単位
5時間以上

6時間未満

要介護1 567単位 570単位 +3単位
要介護2 670単位 673単位 +3単位
要介護3 773単位 777単位 +4単位
要介護4 876単位 880単位 +4単位
要介護5 979単位 984単位 +5単位
訪問看護 訪問看護ステーション 20分未満 313単位 314単位 +1単位
30分未満 470単位 471単位 +1単位
30分以上

1時間未満

821単位 823単位 +2単位
1時間以上

1時間30分未満

1,125単位 1,128単位 +3単位
PT、OT、STによる訪問 293単位 294単位 +1単位
居宅介護支援(Ⅰ・Ⅱ共通) 逓減制の適用にならない範囲 要介護1

要介護2

1,076単位 1,086単位 +10単位
要介護3

要介護4
要介護5

1,398単位 1,411単位 +13単位
特養 従来型個室 要介護3 712単位 732単位 +20単位
要介護4 780単位 802単位 +22単位
要介護5 847単位 871単位 +24単位
ユニット型個室 要介護3 793単位 815単位 +22単位
要介護4 862単位 886単位 +24単位
要介護5 929単位 955単位 +26単位

*基本報酬の新旧比較と2024年度改定で新設される加算はこちらから: 訪問介護通所介護居宅介護支援・介護予防支援訪問看護介護老人福祉施設

2024年度介護報酬改定で基本報酬減となる4サービス

全てのサービスを見渡すと、基本報酬がマイナスとなったのは訪問介護のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、介護予防訪問リハビリテーションです。

(【画像】第239回社保審・介護給付費分科会参考資料1│令和6年度介護報酬改定における改定事項についてより)

訪問介護の基本報酬減に説明求める声に厚労省は「処遇改善加算の引き上げ・算定支援などで対応」

2024年度介護報酬の算定構造は1月22日の社保審・介護給付費分科会で初めて示されました。この日の会合の目的は、厚生労働相から社会保障審議会長へ諮問書(審議会に見解を求める文書)が提出されたことに伴い、24年度の介護報酬改定案に対して同分科会としての意見をまとめることです。基本報酬や加算の単位及び算定要件などもここで明らかになっています。

かねてから深刻な人手不足が指摘されている訪問介護の基本報酬が減額となっていることについては、複数の委員が立て続けに説明を求める事態となりました。まず、小林司委員(労連・総合政策推進局生活福祉局長)は、 「基本報酬を引き下げても大丈夫という考えに至った」経緯について訊ねました。

これに対して和田幸典認知症施策・地域介護推進課長は、今回の改定率は、”現場従事者の処遇改善を行いつつ、サービスごとの経営状況の違いを踏まえてメリハリをつける”という考え方に基づき判断が下されたものであり、訪問介護でも同様の対応をとったと説明しました。その上で、「処遇改善加算の引き上げ、また加算の一本化の取り組みをあわせてご評価いただきたい」とし、同省としても事業所が加算を確実に算定できるような方策に取り組む旨を表明しています。

こうした方針に対しては鎌田松代委員(認知症の人と家族の会代表理事)も「処遇改善加算(の加算率)を高く設定するから、(訪問介護の)基本報酬を引き下げるという意味なのか」とさらに詳しい説明を求め、和田課長は「訪問介護事業所の収支は人件費が7割を占めているので、この今回の改定ではこの処遇改善を最優先とし、処遇改善加算の加算率を最も高い加算率とした」という趣旨の返答をしています。

(【画像】介護職員等処遇改善加算の加算率(第239回社保審・介護給付費分科会参考資料1より))

2024年度介護報酬改定案の扱いと実施までのスケジュール

今回示された内容についてはこのほかにも各委員から意見や要望がありましたが、分科会としては改定案を了承しました。

社保審からもその旨が厚労相に同日のうちに答申されています

改定案については2月22日までパブリックコメントが募集されているところで、3月ごろに正式な決定事項として告示される予定です。

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