2024年度の介護報酬改定後の算定構造や単位が1月に明らかになっています。(※リンク先は:第239回社保審・介護給付費分科会資料掲載ページ)。
居宅介護支援事業の基本報酬は基本部分で10単位超のプラスとなるほか、介護支援専門員1人当たりの担当件数が緩和されるという大きな変更点があります。
こちらのページでは、【居宅介護支援】と【介護予防支援】の改定前後の基本報酬についてまとめています。
なお、2024年度介護報酬改定の実施日はサービスによって分かれており、居宅介護支援と介護予防支援は4月1日です。
2024年度介護報酬改定による居宅介護支援の基本報酬の比較
2024年度介護報酬改定で、居宅介護支援の基本報酬はいずれの区分でも引き上げとなります。
改定前後の比較表を以下に示します。
【居宅介護支援(Ⅰ)(Ⅱ)】2024年度介護報酬改定前後の基本報酬比較
(Ⅰ)は逓減制が適用にならない範囲の担当件数が40件未満から45件未満に、(Ⅱ)は担当件数が45件未満から50件未満に緩和されます。また、要支援の利用者の数え方も2人で1人と換算していた現行の考え方から3人で1人と換算する考え方に変わるので注意が必要です。
なお、この改定にあわせて人員基準も改定されます。
※(Ⅰ):(Ⅱ)を算定していない事業所
(Ⅱ):ケアプランデータ連携システムの活用・事務職員の配置を行っている事業所
| 基本部分 | 単位数
(現行) |
単位数
(改正後) |
増減 | ||
| 居宅支援介護支援(Ⅰ) | (ⅰ)
担当件数45件未満の部分 |
要介護1・2 | 1,076単位 | 1,086単位 | +10単位 |
| (ⅰ)
担当件数45件未満の部分 |
要介護3・4・5 | 1,398単位 | 1,411単位 | +13単位 | |
| (ⅱ)
担当件数45件以上60未満の部分 |
要介護1・2 | 539単位 | 544単位 | +5単位 | |
| (ⅱ)
担当件数45件以上60件未満の部分 |
要介護3・4・5 | 698単位 | 704単位 | +6単位 | |
| (ⅲ)担当件数60件以上の部分 | 要介護1・2 | 323単位 | 326単位 | +3単位 | |
| (ⅲ)担当件数60件以上の部分 | 要介護3・4・5 | 418単位 | 422単位 | +4単位 | |
| 居宅支援介護支援(Ⅱ) | (ⅰ)
担当件数50件未満の部分 |
要介護1・2 | 1,076単位 | 1,086単位 | +10単位 |
| (ⅰ)
担当件数50件未満の部分 |
要介護3・4・5 | 1,398単位 | 1,411単位 | +13単位 | |
| (ⅱ)
担当件数50件以上60件未満の部分 |
要介護1・2 | 522単位 | 527単位 | +5単位 | |
| (ⅱ)
担当件数50件以上60件未満の部分 |
要介護3・4・5 | 677単位 | 683単位 | +6単位 | |
| (ⅲ)担当件数60件以上の部分 | 要介護1・2 | 313単位 | 316単位 | +3単位 | |
| (ⅲ)担当件数60件以上の部分 | 要介護3・4・5 | 406単位 | 410単位 | +4単位 |
2024年度介護報酬改定による介護予防支援の基本報酬の比較
2024年度介護報酬改定によって、居宅介護支援事業者も市町村から指定を受けて介護予防支援が実施できるようになります。また、地域包括支援センターが介護予防支援を実施する場合の基本報酬も引き上げられます。
改定前後の比較表は以下の通りです。
【介護予防支援費(Ⅰ)(Ⅱ)】2024年度介護報酬改定前後の基本報酬比較
| 基本部分 | 単位数
(現行) |
単位数
(改正後) |
増減 |
| 介護予防支援費(Ⅰ)
※地域包括支援センター |
438単位 | 442単位 | +4単位 |
| 介護予防支援費(Ⅱ)
※指定居宅介護支援事業者 |
― | 単位 | ※新設 |
(【表】「令和6年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」(改正告示案。※社保審了承済み)を基に作成)
2024年度介護報酬改定による新設加算はなし
居宅支援介護では特定事業所加算の要件見直しや評価の充実など既存の加算について重要な見直しは行われますが、24年度改定で新設される加算はありません。
また、介護予防支援についても居宅介護支援事業者が直接介護予防支援を行えるようになることに伴い加算の算定構造の変更はありますが、大枠は現行の通りとなっています。
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