2024年度の介護報酬改定で、通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算について、一部の算定要件の緩和および新設などの見直しが実施されました。
こちらのページでは、通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算と、2024年4月改定後での変更点について、留意事項通知の内容なども踏まえてご紹介します。
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算とは?
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算とは、認知症に関する研修を修了した職員を適切に配置し、認知症の症状の進行の緩和に繋がるケアを提供することを評価する加算です。
24年度の介護報酬改定では、算定要件に「検討会や技術的指導に係る会議等の定期的な開催」が追加されたほか、「利用者に占める認知症の方の割合」に係る要件が緩和されました。
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の2024年度変更ポイント
① 従業者に対する認知症ケアに関する事例の検討や技術的指導に係る会議の定期的な開催が要件に新たに追加。
② 算定要件のうち、「利用者に占める認知症の方の割合」に係る要件を緩和。
③ 単位数等は変更なし。
2024年4月以降の通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の算定要件等
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の算定要件
- 人員基準で配置する人数に加え、看護職員または介護職員を常勤換算方法で2以上配置していること。
- 当該事業所における「前年度」、または「算定日が属する月の前3月間」の利用者の総数のうち、日常生活に支障を来すおそれのある症状・行動が認められることから介護を必要とする認知症の者の占める割合が15%以上であること。(緩和)
- 通所介護を行う時間を通じて、専ら通所介護の提供にあたる認知症介護に係る専門的な研修等を修了した職員を1名以上配置していること。
- 当該事業所の従業者に対する認知症ケアに関する事例の検討や技術的指導に係る会議を定期的に開催していること。(新設)
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の単位数
認知症加算:60単位/日(変更なし)
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算のQ&A
これまでに発出されている24年度介護報酬改定に関するQ&Aのうち、通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算に関するものを記載します。
参考:厚労省「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A」掲載ページ※厚労省特設ページ「令和6年度介護報酬改定について」(リンク先)下部に掲載
| 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) 令和6年3月15日 |
| 問17
Q通所介護、地域密着型通所介護における認知症加算の算定要件について、「認知症介護に係る専門的な研修」や「認知症介護の指導に係る専門的な研修」のうち、認知症看護に係る適切な研修とは、どのようなものがあるか。 |
| A.現時点では、以下のいずれかの研修である。
① 日本看護協会認定看護師教育課程「認知症看護」の研修
|
| 問18
Q.認知症高齢者の日常生活自立度の確認方法は? |
| A.
・ 認知症高齢者の日常生活自立度の決定に当たっては、医師の判定結果又は主治医意見書を用いて、居宅サービス計画又は各サービスの計画に記載することとなる。なお、複数の判定結果がある場合には、最も新しい判定を用いる。 ・ 医師の判定が無い場合は、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査員が記入した同通知中「2(4)認定調査員」に規定する「認定調査票」の「認定調査票(基本調査)」7の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。 ・ これらについて、介護支援専門員はサービス担当者会議などを通じて、認知症高齢者の日常生活自立度も含めて情報を共有することとなる。 |
| 問19
Q.認知症介護に係る専門的な研修を修了した者を配置するとあるが、「配置」の考え方は? 常勤要件等はある? |
| A.
・専門的な研修を修了した者の配置については、常勤等の条件は無いが、認知症チームケアや認知症介護に関する研修の実施など、本加算制度の要件を満たすためには事業所内での業務を実施する必要があることから、加算対象事業所の職員であることが必要である。 ・ なお、本加算制度の対象となる事業所は、専門的な研修を修了した者の勤務する主たる事業所1か所のみである。 |
| 問21
Q.認知症介護実践リーダー研修を修了していないが、都道府県等が当該研修修了者と同等の能力を有すると認めた者であって、認知症介護指導者養成研修を修了した者について、通所介護、地域密着型通所介護における認知症加算における認知症介護実践リーダー研修修了者としてみなすことはできないか。 |
| A.
・認知症介護指導者養成研修については認知症介護実践研修(認知症介護実践者研修及び認知症介護実践リーダー研修)の企画・立案に参加し、又は講師として従事することが予定されている者であることがその受講要件にあり、平成20年度までに行われたカリキュラムにおいては認知症介護実践リーダー研修の内容が全て含まれていたこと等の経過を踏まえ、認知症介護実践リーダー研修が未受講であっても当該研修を修了したものとみなすこととする。 ・ 従って、通所介護、地域密着型通所介護における認知症加算については、当該者を指定通所介護を行う時間帯を通じて1名の配置で算定できることとなる。 |
| 問22
Q.例えば、平成18年度より全国社会福祉協議会が認定し、日本介護福祉士会等が実施する「介護福祉士ファーストステップ研修」については、認知症介護実践リーダー研修相当として認められるか。 |
| A.
本加算制度の対象となる認知症介護実践リーダー研修については、自治体が実施又は指定する研修としており、研修カリキュラム、講師等を審査し、適当と判断された場合には認められる。 |
| 問23
Q.認知症介護実践リーダー研修修了者は、「痴呆介護研修事業の実施について」(平成12年9月5日老発第623号)及び「痴呆介護研修事業の円滑な運営について」(平成12 年10月25日老計第43号)において規定する専門課程を修了した者も含むのか。 |
| A.
含むものとする。 |
| 問24
Q.通所介護、地域密着型通所介護における認知症加算における「技術的指導に係る会議」と、特定事業所加算やサービス提供体制強化加算における「事業所における従業者の技術指導を目的とした会議」が同時期に開催される場合であって、当該会議の検討内容の1つが、認知症ケアの技術的指導についての事項で、当該会議に登録ヘルパーを含めた全ての訪問介護員等や全ての従業者が参加した場合、両会議を開催したものと考えてよいのか。 |
| A.
貴見のとおり。 |
| 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3) 令和6年3月29日 |
| 問4
Q. 「認知症介護実践リーダー研修の研修対象者として、介護保険施設・事業所等にお いてサービスを利用者に直接提供する介護職員として、介護福祉士資格を取得した日から起算して 10 年以上、かつ、1,800 日以上の実務経験を有する者あるいはそれ と同等以上の能力を有する者であると実施主体の長が認めた者については、令和9年3月 31 日までの間は、本文の規定に関わらず研修対象者」とあるが、「それと同等以上の能力を有する者であると実施主体の長が認めた者」とは具体的にどのような者なのか。 |
| A.
同等以上の能力を有する者として、例えば、訪問介護事業所において介護福祉士として7 年以上サービスを利用者に直接提供するとともに、そのうちの3年以上、サービス提供責任 者としても従事する者を研修対象者として認めていただくことは差し支えない。 |