11月6日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、ケアマネジャーの処遇改善や業務負担の軽減策に関する意見が集中しました。 処遇改善関連の加算を算定できるサービスに居宅介護支援が含まれていない一方で、”「医療」の視点を含めたケアマネジメントの推進”や”質の高いケアマネジメント”を促すための施策が提案されていることなどを受けた反応です。
業界団体を代表する委員は、「経験、実務と給与が相反」している状況の是正を求めています。 こうした動向には現場のケアマネジャーらの注目も集まっているようです。
第230回の同分科会では、介護人材の処遇改善加算について検討が行われました。厚生労働省から示された対応方針は、現行で3種類ある処遇改善関係加算(介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算)を一本化するというものです。
この日の会合で日本介護支援専門員協会の濵田和則委員は、「介護支援専門員の人材確保は近年急速に困難になっている」と訴えました。濱田委員は分科会長に同協会の要望書を提出し、この中で、介護支援専門員の有効求人倍率は4.1倍に上っているとするデータも示しています(中央福祉人材センターの調査/2023年4~6月)。これは、介護職員に匹敵する状況だとしています。
(【画像】第230回社会保障審議会介護給付費分科会で提出された日本介護支援専門員協会の要望書
この要望書では、処遇改善加算等の対象となるサービス事業所に所属する一部の介護支援専門員にもこれを原資として賃金改善が行われている(22年度に介護職員等ベースアップ支援加算を介護支援専門員に配分した施設・事業所の割合は29.9%)一方で、居宅介護支援事業所はこれらの加算の対象にはなっていないという、介護支援専門員間の格差にも触れられています。
同協会が実施した調査(「介護支援専門員に係る給与調査について」23年10月 n=433)によると、居宅介護支援事業所に常勤専従で勤務する介護支援専門員の平均月額給与額は 28万5,464 円で、介護職員等ベースアップ支援加算取得事業所の介護支援専門員(36万2,700 円)と比べて7万7,236 円低くなっています。
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