【2024年度介護報酬改定】処遇改善関連加算の一本化へ厚労省が新加算の原案を提示

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2024年度介護報酬改定における処遇改善関連加算の扱いについて具体的な検討が始まりました。厚生労働省は3つの加算の1本化に向け、新加算の枠組みなどを提案しています。

なお、この提案は既存の処遇改善関連加算を基にした施策であり、居宅介護支援や訪問看護への拡充は検討事項として扱われていません。

*こちらでアップデートした内容を紹介しています(12月6日追記):【2024年度介護報酬改定】処遇改善関連加算の1本化へ、統合後の要件や経過措置の詳細案まとめ

賃金配分ルールや職場環境等要件の見直しが論点に

11月6日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、厚労省は「介護人材の処遇改善等」を議題としました。

以下はこの議題に関する論点です。

なお、介護報酬改定における対応とは別に、11月2日には政府の今年度の補正予算による経済対策が閣議決定されており、医療・介護・障害福祉分野の賃上げに財政措置を講じることが盛り込まれています。この件については、”介護職員らの賃金を月額6000円引き上げる措置が取られる”ことが一部で報じられています。

以下、この記事では介護報酬改定での対応案として示された処遇改善加算の扱いに絞って紹介します。

1本化後の処遇改善新加算ではベースアップや賃金配分ルールを継続

まず、3つの加算の1本化の方針についてです。

厚労省は今回、

  • 3加算で異なっている職種間の賃金配分ルールを「介護職員への配分を基本とし、 特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」方針に統一する。
  • 賃金改善額をベースアップ等(基本給や毎月支払う手当)に充てる割合を見直し、ベースアップ等要件(介護職員らの賃金改善額が加算の算定見込額を上回り 、かつ、賃金改善額の一定割合以上を基本給や毎月支払う手当に充てる計画を策定し、計画に基づく対応を実施すること)を一本化後の新加算全体に適用する。
  • 既に現行加算を算定している事業所で賃金改善方法の変更等の対応が必要な事業所への配慮として、介護報酬改定後に一定の移行期間(新旧加算のどちらを算定するのか選択できる期間)を設ける。

ことを提案しました。

(【画像】第230回社会保障審議会介護給付費分科会資料より)

現行加算の中で最も算定率が低いのは、「職場環境等要件」を満たすための取り組みを複数実施することや、「経験・技能のある職員」に賃金改善を重点化する”職種間賃金配分”が必要な特定処遇改善加算です。

加算の統合にあたって厚労省は、これらの要件をどのように見直すかなどの意見を委員に求めています。

職場環境等要件の見直し案

特に職場環境等要件の見直しに当たっては、具体的な見直し案が示されました。

その内容は以下の通りです。

  • 事業者に求める”職場環境等改善の取組”の項目数を増やす。
  • 現行の特定処遇改善加算の「見える化要件」(事業所で実施している処遇改善に向けた取り組みを介護サービスの情報公表制度を使って公表すること)について、職場環境等要件の各項目ごとの具体的な取組内容の公表を求める旨を明確化する
  • 年次有給休暇取得促進の取組内容を具体化する(上司等からの声かけ・業務の属人化の解消等) 。
  • 研修受講支援の対象に、介護福祉士ファーストステップ研修・ユニットリーダー研修を追加する。
  • 職場環境等要件に、「生産性向上及び経営の協働化に係る項目」を拡充する。

ケアマネジャーや訪問看護師らは検討の対象外

一本化の方針そのものについては業務負担の軽減や制度の簡素化という観点から、反対意見はありませんでした。

ただ、介護職員の賃上げを報酬増によって実現する仕組みは、利用者負担増にもつながるため、一部委員からは、税財源で手当することを求める意見なども挙がっています。

そのほか、維持される方向である”職種間の配分”について事業者の柔軟な配分をどこまで認めるかなど、ルールの明示を求める意見もありました。

いずれにせよ、24年度改定で3つの加算が1本化される方針は既定路線と入ったと言えるでしょう。

ただし、職場環境等要件については

  • 現行の区分と24項目のうち、必ず実施すべき項目を設けるなどの見直しが必要ではないか。
  • キャリアパス要件や職場環境等要件は本来、法人や事業所が整備すべき話で、介護従事者の責によるものではない。賃上げとは分けて考えるべき。
  • 法人や事業所の取り組みを職員に認知してもらうための効果的な方法を検討するべき。
  • 生産性向上や経営の共同化に関わる項目は、処遇改善や職員の定着との関連は薄いのではないか。

などと厚労省の提案に疑問を呈する意見も少なくありませんでした。

こうした指摘がどの程度今後の検討に反映されていくかは、注目ポイントといえるでしょう。

なお、今回の検討はあくまで現行加算を1本化するという施策であるため、加算の対象サービスに、訪問看護、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与、居宅介護支援などのサービスは算定対象外となる方針です。

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