介護職員等ベースアップ等支援加算(ベア加算)とは【2022年度介護報酬改定対応】

2022.09.30
ホーム 加算・単位数 通所介護 介護職員等ベースアップ等支援加算(ベア加算)とは【2022年度介護報酬改定対応】

介護職員等ベースアップ等支援加算とは介護職員等の処遇改善を目的とし、1人あたりの収入を3%程度(月額平均9,000円相当)引き上げるために設けられた加算です。

2022年度の臨時介護報酬改定で新たに創設されました。ここでは、介護職員等ベースアップ等支援加算の算定要件や単位数などについて説明します。

ベア加算とは

(厚生労働省 介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の概要より引用)

介護職員等ベースアップ等支援加算の算定要件

介護職員等ベースアップ等支援加算を算定するには、以下の要件をすべて満たすことが求められます。

  • 介護職員処遇改善加算(I)~(III)のいずれかを算定していること
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算計画書を作成し、その内容をすべての職員に周知し、都道府県知事等に届け出ていること
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算の算定額を上回る賃金改善(※)を実施すること
  • 賃金改善額の3分の2以上は「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」に充てる賃金改善を実施すること
  • 事業年度ごとに介護職員等ベースアップ等支援加算実績報告書を作成し、都道府県知事等に報告すること

※加算の算定額を上回る賃金改善

経営の悪化などにより事業の継続が困難な場合は、介護職員等ベースアップ等支援加算による賃金改善分を除く職員の賃金水準を見直すことはやむを得ないとされています。ただし、賃金水準を見直す場合、その内容について都道府県知事等に届け出ることが必要になります。

介護職員等ベースアップ等支援加算の対象職種

介護職員等ベースアップ等支援加算の対象となる職種は以下のようになっています。

  • 介護職員
  • その他の職員

「その他の職員」の範囲は、各事業所で判断することになりますが、その他の職員にも配分を行う場合は、介護職員の処遇改善を目的とした加算であることを十分に踏まえた配分となるように留意する必要があります。

介護職員等ベースアップ等支援加算の加算率・単位数

介護職員等ベースアップ等支援加算のサービス区分ごとの加算率は以下の通りです。

サービス区分 加算率
訪問介護
夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
2.4%
(介護予防)訪問入浴介護
通所介護
地域密着型通所介護
1.1%
(介護予防)通所リハビリテーション 1.0%
(介護予防)特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
1.5%
(介護予防)認知症対応型通所介護
(介護予防)認知症対応型共同生活介護
2.3%
(介護予防)小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
1.7%
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
(介護予防)短期入所生活介護
1.6%
介護老人保健施設
(介護予防)短期入所療養介護(老健)
0.8%
介護療養型医療施設
(介護予防)短期入所療養介護(病院等)
介護医療院
(介護予防)短期入所療養介護(医療院)
0.5%

介護職員等ベースアップ等支援加算の加算率と単位数の計算例(通所介護)

介護職員等ベースアップ等支援加算の単位数は、基本報酬に加算・減算(介護職員処遇改善加算および介護職員等特定処遇改善加算を除く)を加えた単位数に加算率を掛け合わせることで算出します。

例えば、入浴介助加算と介護職員処遇改善加算を算定している通所介護事業所の場合、以下のような計算式になります。

(基本報酬+入浴介助加算の単位数)1.1%=介護職員等ベースアップ等支援加算の単位数

介護職員等ベースアップ等支援加算のQ&A

介護職員等ベースアップ等支援加算のQ&Aは、厚労省からまだ公表されていません。

ただし、ベースアップ等の考え方など 「介護職員処遇改善支援補助金のQ&A」が参考になりますので、そちらをご覧ください。

介護職員等ベースアップ等支援加算はいつから算定できる?

介護職員等ベースアップ等支援加算は、2022年(令和4年)10月から算定することができます。

加算を算定するためには、期日までに賃金改善の見込み額や賃金改善実施期間などを記載した計画書を都道府県知事等に提出する必要があります。

以下は、2022年10月から加算を算定する場合のスケジュールです。

【スケジュールの例】
2022年8月末日 申請書、計画書の提出
2022年10月 介護職員等ベースアップ等支援加算の算定開始
2022年12月 10月分の介護職員等ベースアップ等支援加算の入金。賃金改善の実施。
2023年5月 2022年度分における加算の最終入金。賃金改善の最終調整。
2023年7月末日 実績報告書の提出

2023年(令和5年)3月には介護事業者の事務負担軽減等を目的として、介護職員等ベースアップ等支援加算と介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算に関する書類が簡素化され、計画書と実績報告書の記載内容や様式が変更されました。

具体的には、

  • 計画書における前年度と今年度の賃金額比較を省略
  • 実績報告書における3加算の賃金額比較を一本化
  • 計画書と実績報告書における事業所ごとの賃金総額等の記載を省略

といった簡素化が行われました。

それでは、新様式となった計画書と実績報告書の記載内容について見ていきましょう。

令和5年(2023年)度 介護職員処遇改善加算等の計画書の様式

令和5年(2023年)度分の計画書の記入例を厚生労働省が公開しています。

ここでは、介護職員等ベースアップ等支援加算に関する部分へ記載する内容をご紹介します。

【計画書の記載内容】

  • ベースアップ等加算による賃金改善の見込額
  • うち、ベースアップ等(基本給又は毎月決まって支払われる手当の引上げ)による賃金改善の見込額(年額)
  • 賃金改善を行う給与の種類
  • 具体的な取り組み内容
  • ベースアップ等加算の種別(新規・継続)と算定対象月

令和5年(2023年)度 介護職員処遇改善加算等の実績報告書の様式

令和5年(2023年)度分の実績報告書の記入例を厚生労働省が公開しています。

ここでは、介護職員等ベースアップ等支援加算に関する部分へ記載する内容をご紹介します。

【実績報告書の記載内容】

  • 本年度の賃金の総額
  • 前年度の賃金の総額
  • 前年度のベースアップ等加算の総額
  • 前年度の各介護サービス事業者等の独自の賃金改善額
  • (独自の賃金改善額がある場合)独自の賃金改善の具体的な取組内容、独自の賃金改善額の算定根拠
  • ベースアップ等加算による賃金改善所要額
  • うち、ベースアップ等(基本給又は毎月決まって支払われる手当の引上げ)による賃金改善所要額(年額)

    など

介護職員等ベースアップ等支援加算の留意点:重要事項説明書による利用者の同意が必要

介護職員等ベースアップ等支援加算を算定することが決まった場合、これまでと利用料(利用者負担金)が変わることになりますので、加算を算定する前までに、更新した重要事項説明書を使い、利用者やその家族に説明し、同意を得る必要があります。

原則として重要事項説明書を更新して説明、同意を得ることが求められていますが、自治体によっては、利用者負担額改定表や同意書等を使って変更点を説明し、利用者やその家族から同意をいただくことを認めている場合もあります。事業所の所在する自治体で、どのような方法が認められているのか確認しましょう。

介護職員等ベースアップ等支援加算の同意書 無料ダウンロード

利用者やその家族に介護職員等ベースアップ等支援加算の算定を開始することをお伝えする同意書のひな形を作成しましたので、ぜひダウンロードをしてご活用ください。

こちらの同意書の様式は介護経営ドットコム編集部が独自に作成しておりますので、事業所の所在する自治体によっては、この様式の使用を認められない可能性があります。その点に留意していただき、使用する前に必ず自治体に確認をとっていただいてからご使用いただきますようにお願い致します。

介護職員等ベースアップ等支援加算の同意書(Wordファイル)の無料ダウンロード

介護職員処遇改善支援補助金の目的とは

介護職員処遇改善支援補助金は、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、「介護職員の収入を3%程度(月額9,000円)引き上げること」を目的として設けられました。

2022年度の国の予算編成過程において検討され、2022年10月から看護、介護、保育、幼児教育の分野での処遇改善のために必要な措置の実施が予定されていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症や少子高齢化への対応が重なる最前線で働く方々に対して早急な支援が必要となっていることから、2022年2月に前倒しで補助金という形で実施されました。

介護職員処遇改善支援補助金はいつまで実施されていた?

介護職員処遇改善支援補助金は、2022年2月から9月の期間で実施されていました。2022年10月以降は、介護職員等ベースアップ等支援加算として運用が開始されたことに伴い、介護職員処遇改善支援補助金の制度は終了しています。

介護職員処遇改善支援補助金の交付率

介護職員処遇改善支援補助金のサービス区分ごとの交付率は以下の通りです。

サービス区分 交付率
訪問介護
夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
(介護予防)認知症対応型通所介護
2.1%
(介護予防)訪問入浴介護
通所介護
地域密着型通所介護
1.0%
(介護予防)通所リハビリテーション 0.9%
(介護予防)特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
(介護予防)短期入所生活介護
1.4%
(介護予防)小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
1.6%
(介護予防)認知症対応型共同生活介護 2.0%
介護老人保健施設
(介護予防)短期入所療養介護(老健)
0.8%
介護療養型医療施設
(介護予防)短期入所療養介護(病院等)
介護医療院
(介護予防)短期入所療養介護(医療院)
0.5%

介護職員処遇改善支援補助金の交付率と交付金額の計算例(訪問介護)

介護職員処遇改善支援補助金は、基本報酬に加算・減算(介護職員処遇改善加算および介護職員等特定処遇改善加算を除く)を加えた単位数に加算率を掛け合わせることで、交付金額を算出します。

例えば、早朝・夜間加算と介護職員処遇改善加算を算定している訪問介護事業所の場合、以下のような計算式になります。

(基本報酬+早朝・夜間加算の単位数) 1単位の単価 2.1% = 介護職員処遇改善支援補助金

介護職員処遇改善支援補助金のQ&A

介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問1
Q.令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金等での対応も可とされているが、その場合、どの程度の賃金改善を行っている必要があるか。
A.毎月ごとに賃金改善額が補助額を上回ることを求めるものではないため、令和4年2月分及び3月分として見込まれる補助金額のすべてを、令和4年2月分及び3月分の賃金改善に充てる必要はない。ただし、賃金改善実施期間全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を行うことが必要であるため、計画的に賃金改善を行っていただきたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問2
Q.「○月分の賃金改善」というのは、「○月に支払われる賃金を引き上げる」ということか。
A.賃金改善対象期間は、原則、令和4年2月分から9月分までとしており、「○月の労働に対する賃金を引き上げる」又は「○月に支払われる賃金を引き上げる」のいずれの方法もとりうるものであるが、現行の処遇改善加算等と異なる取扱いとならないよう、各事業所において適切にご対応いただきたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問3
Q.令和4年2月分から賃金改善を行うことが交付要件とされているが、令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金で対応したとしても、4月分以降は毎月賃金改善を行うことが必要か。
A.本補助金については、賃金改善が賃上げ効果の継続に資するよう、賃金改善の合計額の3分の2以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げに充てることを交付要件としている。そのため、令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金で対応した場合であっても、令和4年4月分以降は、ベースアップ等による毎月の賃金改善を行うことが必要となる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問4
Q.ベースアップ等による賃金改善を開始した後に、利用者が想定よりも増えるなど、補助金の受給額が計画書作成時の見込額を上回り、ベースアップ等に充てるべき額が増加した場合、必要に応じて再度就業規則等を改正し、基本給又は決まって毎月支払われる手当を更に引き上げることが必要か。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問5
Q.時給や日給を引き上げることは、ベースアップ等の引上げにあたるか。
A.基本給が時給制の職員についてその時給を引き上げることや、基本給が日給制の職員についてその日給を引き上げることは、ベースアップ等の引上げに当たる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問6
Q.令和4年2月及び3月に一時金で賃金改善を行った場合、同年4月から9月までの6か月間においてベースアップ等に係る要件を満たしていればよいか。もしくは、同年2月から9月までの8か月間全体で当該要件を満たしている必要があるか。
A.令和4年2月及び3月に、ベースアップ等以外の賃金項目について賃金改善を行った場合であっても、同年2月から9月までの8か月間全体の賃金改善額の3分の2以上はベースアップ等に充てられている必要がある。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問7
Q.ベースアップ等に係る要件については、「介護職員」と「その他の職員」のグループごとに満たす必要があるか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問8
Q.賃金改善実施期間における賃金改善額について、「当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含むことができる」とされているが、法定福利費等の事業主負担の増加分は、ベースアップ等による賃金改善に含めてよいか。
A.法定福利費等の事業主負担の増加分については、ベースアップ等による賃金改善には当たらないが、介護職員処遇改善加算等と同様に、ベースアップ等に充てた額以外の分として賃金改善に含めることは可能である。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問9
Q.賃金改善額の3分の2以上をベースアップ等に充てることが要件とされているが、ベースアップ等に充てた額以外の分について、用途制限はないのか。
A.賃金改善実施期間全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を行うことが必要であるため、ベースアップ等に充てた額以外の分についても、賞与や一時金等による賃金改善に充てなければならない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問10
Q.「決まって毎月支払われる手当」とはどのようなものか。
A.決まって毎月支払われる手当には、労働と直接的な関係が認められ、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当を含むが、以下の諸手当は含まない。
・月ごとに支払われるか否かが変動するような手当
・労働と直接的な関係が薄く、当該労働者の個人的事情により支給される手当(通勤手当、扶養手当等)
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問11
Q.就業規則等の改正が間に合わず、本年4月以降にベースアップ等による賃金改善が実施できない場合は本補助金の対象外となるのか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問12
Q.その他の職員の範囲は、事業所の判断で決められるのか。また、介護職員とその他の職員について、配分割合等のルールは設けられているか。
A.その他の職員の範囲は各事業所においてご判断いただきたい。また、本部の人事、事業部等で働く者など、法人内で介護に従事していない職員の取扱いについては、2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(令和元年7月23日)問13を参照されたい。
なお、その他の職員にも配分を行う場合は、介護職員の処遇改善を目的とした補助金であることを十分に踏まえた配分をお願いしたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問13
Q.介護職員処遇改善加算(I)、(II)又は(III)について、いつの時点で算定している必要があるか。
A.令和4年2月サービス提供分以降について算定している必要があり、令和4年2月サービス提供分について同加算を算定していない事業所については、本補助金の対象とはならない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問14
Q.介護予防・日常生活支援総合事業について、現行の介護職員処遇改善加算を算定する枠組みがない市町村もあるが、現行の介護職員処遇改善加算(I)、(II)又は(III)を算定していなければ、本補助金の支給対象にはならないか。
A.介護給付サービスにおける介護職員処遇改善加算と同様の加算が当該市町村において設定されており、事業所が当該加算を算定している場合は対象として差し支えない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問15
Q.令和4年2月分及び3月分のベースアップ等について、処遇改善計画書にどのように記入すればよいか。
A.ベースアップ等に係る要件については、賃金改善実施期間全体で満たしていればよいため、令和4年2月分及び3月分に限った記載を求めることとはしていない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問16
Q.処遇改善計画書の「介護職員等の賃金の総額」には、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算を取得し実施される賃金改善額並びに各介護サービス事業所等の独自の賃金改善額を含む額を記載するのか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問17
Q.事業計画書の提出期限は令和4年4月15日、実績報告書の提出期限は令和5年1月31日となっているが、それぞれの提出開始時期はいつ頃を想定しているのか。
A.提出開始時期については、各都道府県において適切に設定されたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問18
Q.前年度の介護職員等の賃金の総額は、前年度から事業所の介護職員等が入れ替わりや増員等があった場合、どのように考えればよいか。
A.2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和2年3月30日)問4及び令和3年度介護報酬改定に関するQ&AVol.1)(令和3年3月19日)問22を参照されたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問19
Q.賃金改善開始月に、都道府県に対して賃金改善開始の報告様式を提出するのはなぜか。
A.当該報告については、令和4年2月分及び3月分の賃金改善を行っていることを担保するため、令和4年4月15日までの提出としている処遇改善計画書に先立って提出いただくこととしている。そのため、原則として令和4年2月末日までの報告を求めているが、
・令和4年3月分とまとめて同年2月分の賃金改善分の支給を行う場合は、同年3月末日までの報告とすること
・また、やむを得ない事情により、令和4年2月分から賃金改善を行っているにもかかわらず未報告であった場合には、処遇改善計画書の提出時に併せて報告を行うこととする。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問20
Q.補助額の算出に用いる総報酬には、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算分を含めたものか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問21
Q.原則として、令和4年2月分から賃金改善を実施することが要件とされており、本年4月以降に新規開設する事業所は令和4年2・3月分の賃金改善を行うことができないが、本補助金の対象となるか。
A.本年4月以降に新規開設する事業所については、その他の要件を満たす場合には、本補助金の対象となる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問22
Q.以下の(1)から(3)に該当する事業所について、本補助金の対象となるか。
(1)令和4年2月分の賃金改善を実施したが、同年3月に事業所を休廃止した場合
(2)令和4年2月分から4月分まで賃金改善を実施し、同年4月に処遇改善計画書を提出したが、同年4月末に事業所を休廃止した場合
(3)令和4年2月分から5月分まで賃金改善を実施し、同年4月に処遇改善計画書を提出し、同年5月に交付決定が行われたが、同年5月末に事業所を休廃止した場合
A.(1)の場合は、交付申請時に事業所が存在しない、又は休止中のため、対象とならない。
また、(2)及び(3)の場合は、当該事業所に実績報告書の提出を求め、本補助金の支給要件を満たすことが確認できた場合には、対象となる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問23
Q.令和4年3月分から本補助金の対象とすることは可能か。
A.令和4年2月分から賃金改善を行うことや、令和4年2月サービス提供分以降について介護職員処遇改善加算(I)、(II)又は(III)を算定していること等の要件を満たさない場合には、本補助金の対象とはならない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問24
Q.事業者から本補助金を債権譲渡したい旨の要望があった場合の考え方如何。
A.本補助金は、全額を介護職員等の賃金に充てることを支給の要件としている補助金であり、債権譲渡することは適当ではない。このため、債権譲渡等により、国保連合会に登録されている口座に本補助金を振り込むことが適当でない事業所に対する本補助金の支払いについては、都道府県にてご対応いただきたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問25
Q.国保連合会との交付対象事業所リストの連携について、決まった方法があるか。
A.交付対象事業所リストの連携方法等については、各都道府県において国保連合会と調整いただきたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問26
Q.月遅れ請求、過誤調整等により、事後的に総報酬の額が増減する場合、補助金の支払・返還をどのようにすべきか。
A.月遅れ請求等の対応については、実施要綱において「当該請求に係る補助額の支給を最大2か月間対応することとする」としているところ。また、月遅れ請求等により、
・事後的に報酬が増額した場合
・事後的に報酬が減額したが、当月の総報酬がプラスである場合
については、補助金額の調整は国保連合会において対応がされる。
なお、
・事後的に総報酬が減額し、当月の総報酬がマイナスとなった場合
については、交付対象期間全体でみたときに補助金額が適正なものとなるよう、都道府県に個別にご対応いただく必要がある。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問27
Q.事業所に対する交付決定について、処遇改善計画書の「2①介護職員処遇改善支援補助金の見込額」の額に基づき交付決定を行うこととしてよいか。
A.お示しいただいた方法を想定しているが、都道府県と事業所との事務処理については、各都道府県の財政担当部局と調整の上ご対応いただきたい。なお、国保連合会から事業者に支払われる補助金額は、月ごとの確定した介護報酬に交付率を乗じたものであり、処遇改善計画書の「2①介護職員処遇改善支援補助金の見込額」そのものが支払われるものではない。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問28
Q.市町村が指定権者である事業所についても、本補助金については都道府県が対応する必要があるか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問29
Q.国保連合会に委託を行うか否かについては、各都道府県の判断と解してよいか。
A.貴見のとおり。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問30
Q.令和4年2月分から9月分までの補助金全額をまとめて6月に事業所に対して支払い、実績報告書提出後に精算する取扱いは可能か。
A.毎月の介護報酬に基づいて補助金額が決まるため、補助金の支払いは毎月行うことが適当と考えられる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問31
Q.地域密着型サービス及び介護予防・日常生活支援総合事業については、都道府県で介護職員処遇改善加算の取得状況は把握していないが、どのように要件の確認を行えばよいか。
A.介護職員処遇改善加算の取得状況は、国保連合会において確認が可能であり、地域密着型サービスについて、この観点からは市町村との連携を行う必要はない。また、介護予防・日常生活支援総合事業については、市町村が独自で介護職員処遇改善加算と同様の加算を設定している場合は、当該市町村と連携を行っていただく必要がある。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.2)(令和4年2月22日)問1
Q.令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合、当該改善分をベースアップ等による賃金改善として取り扱うことは可能か。
A.令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合においても、当該対応が、単に就業規則等の改定がなされていないことのみの違いであるなど、同年4月分以降に行うベースアップ等による賃金改善を見越した対応である場合には、2月分及び3月分の一時金による賃金改善のうち、同年4月分から9月分までの間のベースアップ等による賃金改善分に相当する額をベースアップ等による賃金改善分に含めることとして差し支えない。
<例>
4月以降のベースアップ等による賃金改善額の平均が各月7,000円であって、2月分及び3月分の一時金による賃金改善が18,000円である場合、ベースアップ等による賃金改善分に含めることが可能なのは、2か月分の14,000円(7,000円2)までとなる。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.2)(令和4年2月22日)問2
Q.本事業における補助金の支出事務について、都道府県から国保連合会に委託することは、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第165条の3第1項により、認められるか。
A.地方自治法施行令第161条第1項第12号に規定する「非常災害のため即時支払を必要とする経費」に該当するものとして認められる。なお、本件については、総務省自治行政局行政課と協議済みである。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問1
Q.前年度に通常よりも多く賞与を支払った等の理由により、前年度の賃金の総額(基準額)が例年よりも高くなり、本補助金による賃金改善を行っても前年度からの賃金の増加額が補助金の額を上回らない場合、本補助金の申請はできないのか。
A.前年度の賃金の総額については、令和3年2月から9月までの8か月間の賃金の総額を記載することとしているが、これにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により前年度の賃金の総額を推定することとしている。また、介護職員処遇改善加算等においては、独自の賃金改善の具体的な取組内容と算定根拠を記載することで、前年度の介護職員の賃金の総額から独自の賃金改善額を控除することを可能としている。そのため、前年度に通常よりも多く賞与を支払っていた等の理由により、前年度の賃金の総額(基準額)が例年よりも高くなり、前年度からの賃金の増加額が補助金の額を上回らなかった場合、処遇改善加算等の計画書を本補助金の計画書とあわせて提出することで、処遇改善加算等において控除された独自の賃金改善額や、その取組内容及び算定根拠を明らかにすることにより、本補助金における基準額についても、処遇改善加算等の計画書における独自の賃金改善額と同額を控除して推定することが可能である。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問2
Q.休止していた事業所が令和4年2月から9月の間に再開した場合、本補助金を申請することは可能か。
A.新規開設事業所と同様に(介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)問21参照)、要件を満たす場合には本補助金の対象となる。なお、休止前に本補助金を受けていた場合は、休止前と再開後それぞれの期間について計画書及び実績報告書の提出が必要であり、事業所が休止する場合の取扱いについては「介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)」問22も参照されたい。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問3
Q.都道府県の圏域を超えて所在する複数の介護サービス事業所等を有する介護事業所等が、法人で一括して処遇改善支援補助金計画書及び処遇改善支援補助金実績報告書を作成する際、当該都道府県ごとに別個の計画書等を作成し提出することが必要か。
A.処遇改善加算等の計画書及び実績報告書の作成を法人単位で行う場合、
・法人において処遇改善加算等により賃金改善を行った総額が、法人における処遇改善加算等による収入額を上回ることが必要であるが、
・提出先の都道府県ごとに処遇改善計画書等を書き分けることまでは不要であり、指定権者をまたぐ複数事業所について、法人単位で一括して処遇改善計画書を作成することは可能であるが、この取扱いについては、本補助金においても同様とする。
なお、補助金を取得する事業所は、補助金別紙様式2-2の「補助金取得予定」欄に「○」を記入し、各都道府県から、当該欄に「○」が記入され、かつ、「事業所の所在地」欄に自都道府県の名称が記載された事業所について補助金の支払い等が行われる。
<参考>
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24年3月16日)問226
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問4
Q.処遇改善支援補助金計画書及び処遇改善支援補助金実績報告書において、介護サービスと介護予防サービスのいずれも提供している事業者が、処遇改善支援補助金計画書及び処遇改善支援補助金実績報告書に「サービス名」を記入する際、介護サービスと介護予防サービスとを区別して記載することが必要か。
A.補助金の交付事務において、都道府県及び国保連合会が交付対象となる事業所やサービスを適切に特定した上で補助金額の算出等を行うため、介護サービスと介護予防サービスとを区別して様式に記載することが必要となる。
例えば、短期入所生活介護サービス事業所と介護予防短期入所生活介護サービス事業所が同一の事業所番号で紐付いている場合、両事業所がともに介護職員処遇改善支援補助金を取得するためには、補助金別紙様式2-2「サービス名」の欄に、両事業所を区別し、2行に分けて記載すること。
その際、(f-1)、(f-2)、(g-1)及び(g-2)の列について、両事業所の賃金改善の見込額を区別して記入することが難しい場合は、介護サービスに一括計上(介護予防サービスはゼロ又は空欄)とすることも可能であること。
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問5
Q.A法人の運営するX事業所が、法人の吸収合併等により、B法人が令和4年4月1日から運営することになった場合の2・3月からの賃上げに係る要件の取扱いについて、A法人が運営していた期間についても補助金の対象とすることは可能か。
A.事業所を運営する法人が吸収合併等を行う場合の2・3月からの賃上げに係る要件の取扱いについては、事業所の職員に変更がない等、吸収合併等の前後で事業所が実質的に継続して運営されると都道府県において認める場合、以下の取扱いにより、その前後において、それぞれ補助金の対象とすることが可能である。
・X事業所について、A法人の処遇改善計画書には2・3月分を、B法人の処遇改善計画書には4~9月分の計画を記入する。実績報告書についても同様の取扱いとする。
<参考>
「事業所の吸収分割等に伴う事務の簡素化について」(令和2年8月3日付け厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか連名事務連絡)
介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(Vol.3)(令和4年3月23日)問6
Q.A法人の運営するX事業所を別のサービスに変更した場合の取扱いについて、変更前の期間についても補助金の対象とすることは可能か。
A.事業所の職員に変更がない等、サービス変更の前後で事業所が実質的に継続して運営されると都道府県において認める場合、補助金の対象とすることが可能。なお、処遇改善計画書及び実績報告書の個表には、それぞれの事業について期間を分けて2行分記載すること。

最後に

こちらの記事では、2022年度の臨時介護報酬改定で新設された介護職員等ベースアップ等支援加算について解説してきました。

記事の内容は、作成時点の最新資料・情報を基にしております。

具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。