M&Aを将来的に検討しようとしている、あるいは興味を持っている方にとって「赤字企業でも売却できるのか」は気になるテーマではないでしょうか。
今回は、赤字企業のM&Aの可能性について解説いたします。
*これまでの連載:オーナー経営者のための介護事業承継の基本知識、社会福祉法人、医療法人、それぞれの場合の事業承継の特徴とは?介護事業承継の基本知識(2)
そもそも赤字企業とはどういった状況を指すのでしょうか。 赤字企業とは、1年間の経営成績を示す損益計算書において、最終損益がマイナスとなっている企業をいいます。
また、損益計算書が赤字なだけではなく、キャッシュフロー計算書でマイナスになっている場合も赤字企業というケースがあります。 キャッシュフロー計算書の各項目(営業活動、投資活動、財務活動)上の合計値がマイナスになるということは、実際の入金よりも支払が上回っているため、手元資金が減少している状況になっています。
このように、一般的に赤字企業とは、損益計算書上で赤字になっているか、キャッシュフロー計算書上で赤字になっている企業を指します。
赤字企業は売却しづらいイメージがあるかもしれませんが、一概に売却できないかというとそんなことはありません。
例えば、将来の事業展開のために積極的に人材や設備などに投資をして赤字となっているケース。将来の収益性が見込めるのであれば、赤字企業であったとしても売却できる可能性があります。
また、赤字となっていても経営ノウハウがあったり、優秀な人材がいたりする企業などであれば、それらの資源をうまく活用して黒字にできる可能性があります。
さらに、戦略的にエリア展開をしている企業や、事業再生のノウハウを持つ企業は赤字企業でも積極的に買収するケースもあります。
つまり、単に赤字かそうでないかということだけで売却可能性が決まるということではなく、将来において収益を出せる可能性がポイントになるということです。
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