Googleのノーコードツール「Appsheet」でかゆいところに手が届くシステムをつくる―介護現場に役立つITツールbyタダカヨ③

2024.10.30
2024.11.08
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こんにちは、吉岡政明と申します。私は介護事業所を中心に、ITを切り口とした事業運営のサポートをしています。その傍ら、NPO法人タダカヨで「お金のかからないIT」を普及させる活動に取り組み、無料オンラインPCスクール「タダスク」で講師をしています。

介護事業所と言っても様々なサービスがありますし、事業所ごとの特性もあるので、「効率化すべきこと」「効率化したいこと」「効率化できないこと」は千差万別です。また、「やり方が変わること」「新しいことを覚える」ことへのハードルは誰もが高く感じるものですから、なかなかIT化が進まないというのは「あるある」です。

一方で、人手不足の世の中、「何かしら効率化を始めないと!」という思いを少なからずお持ちの方は多くいらっしゃるということも分かっています。

そこで今回ご紹介したいのがGoogleのノーコードツール「AppSheet」です。「文系管理職なのに~画期的な業務アプリを~シュシュッと作れちゃう俺~♪」と某システムのテレビCMで人気俳優さんが口ずさんでいましたが、似たようなイメージで、プログラム言語が分からずともアプリが作れるというノーコードツールです。

目次
    気軽にアプリを開発デキる「AppSheet」とは
      新しい業務ソフトの導入もネガティブな反応…―介護現場のIT化を阻む”あるある”を柔軟に解決
        パッケージソフトの不便を補う!オーダーメイドアプリの効用
          AppSheetの柔軟性:サービス種別や事業所に応じたオリジナル機能の具体例
            AppSheetの導入プロセス:操作性の高さと学習コストの低さ
              現場で働く職員のニーズを取り入れて本質的な業務効率化の実現を

                気軽にアプリを開発デキる「AppSheet」とは

                AppSheetとは、プログラミングの知識がなくても、自社のニーズに合わせたアプリケーションを簡単に作成できるツールです。

                Excelに似た表計算アプリである「Googleスプレッドシート」をベースに、AIがアプリのたたきを作ってくれます。そこから自分好みにカスタマイズしていくことで、オリジナルのアプリを開発できます。

                AppSheetはノーコードツールなので、プログラム言語を知らなくてもアプリ開発が出来ますし、何よりも嬉しいことに、自分で使う範囲では無料で使い始めることができます。

                そして、出来上がったアプリは、パソコン、タブレット、スマホ、全てのデバイスで利用することができます。

                新しい業務ソフトの導入もネガティブな反応…―介護現場のIT化を阻む”あるある”を柔軟に解決

                顧客や事業について分析を進める際に必要な情報は取れていますか?
                実は欲しいなと思っている情報ってありませんか?

                「特に困ってはいないよ」と答える方もいらっしゃるとは思いますが、少し考えてみてください。

                必要最低限の情報入力だけで介護記録が残せたら、楽ですよね?
                利用者さんの記録をとるときなど、要らない情報を入力していませんか?
                もっと簡単に、必要な情報を取得できたら良くないですか?

                様々な市販のパッケージソフトが存在し、その多くが「便利」とされているものの、実際には現場での細かなニーズに完全に応えきれないことも少なくありません。

                補助金を活用して、業務改善のためのソフトをお得に導入しても、「新しいことを覚えないといけない」「慣れ親しんだソフトの操作性が変わる」などと、現場からネガティブな反応が生まれてしまうことは仕方のないことです。

                そんな状況に対して、独自の仕様でノーコードでアプリを作れるという、柔軟性と使いやすさを兼ね備えたITツールとして、「AppSheet」が有用な訳です。

                しかも、これが無料で始められるっていうんですから、ぜひ、名前だけでも覚えてください。

                パッケージソフトの不便を補う!オーダーメイドアプリの効用

                介護事業所で利用される市販パッケージソフトには、さまざまな機能が組み込まれており、多くの場面で役立つことは間違いありません。

                しかし、その一方で、「かゆいところに手が届かない」という声もよく耳にします。

                例えば、特定の記録方法を採用している場合や、請求業務の流れなど、事業所特有の業務手順がある場合、市販ソフトではその違いに完全に対応するのが難しいことがあります。
                また、採用しているソフトに必要以上に多くの機能があるため、使いこなすには多くの操作方法を覚えなければならないというデメリットもあります。

                私が関わった複数の事業所でも、パッケージソフトの機能を補うためにスプレッドシートで独自のデータベースを作って欲しい情報を取得したり、各事業所ごとに運用しやすい方法で情報管理をしてきた実績があります。

                ここで、少し想像してください。

                スタッフの意見を聞きながら、日頃業務の中で感じている不便を解消するアプリを作ったとしたら・・・?
                きっとスタッフは愛着を持ってアプリを使ってくれます。なぜなら、自分たちの意見が盛り込まれたアプリだからです。

                残り1805文字
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