M&A実施後も従業員の雇用は継続できるのか―介護事業承継の基礎知識(4)

2022.06.22
2022.06.22
会員限定
ホームニュース専門家コラムM&A実施後も従業…
目次
    介護事業のM&Aでは従業員の雇用は継続されるのか?
      M&A契約交渉における具体的な注意点
      まとめ:M&A後も円滑に人材を引継ぐために

        介護事業のM&Aでは従業員の雇用は継続されるのか?

        介護事業のM&Aを行うとき、従業員の雇用は継続されるのでしょうか。また、継続してサービスを利用してもらうことはできるのでしょうか。将来も含め、売却を検討している企業からすると気になる要素だと推察されます。今回は、M&Aのあとの従業員の継続雇用を中心に解説いたします。

        前回の記事:負債がある赤字企業でも売却はできるのか、買い手はつくものか?

        介護事業(者)の買収を検討している企業にとって、M&Aの目的にはたいていの場合、人材や利用者の獲得が含まれています。

        事業所運営のノウハウや技術は従業員に帰属していることが多く、買い手が事業を円滑に継続するために、介護事業のM&Aの場面では基本的に従業員の継続雇用が求められます。

        もし従業員の離職があれば、サービスの供給力が落ちてしまい、新たな人材の確保をするか、買い手側の従業員でまかなうなどの対応をしないと事業所の継続運営は困難になります。

        介護業界における人材確保の難しさが年々増していることも、継続雇用が望まれる傾向を強くしているのではないでしょうか。

        M&A契約交渉における具体的な注意点

        M&Aの契約交渉では、売り手側が事前に条件面の整理をしておくことが重要です。
        以下、従業員の継続雇用を円滑に行うための具体的な注意点を紹介します。

        介護事業のM&Aにおける売り手の注意点

        株式譲渡と事業譲渡の違い

        M&Aのあとの従業員の処遇は、株式譲渡と事業譲渡の場合で異なります。

        残り1599文字
        この資料は会員限定コンテンツです。
        会員情報をご登録いただくと、
        介護業界の経営支援に役立つ限定公開記事をお読みいただけます。
        業界ニュースや
        専門家記事が
        無料で読み放題
        加算も取得できる
        研修動画が
        無料で見放題
        業務で使う
        各種帳票が
        無料ダウンロード
        関連記事
        杉山晃浩
        2024.11.11
        正職員の待遇引き下げで同一労働同一賃金を実現?人事関係者注目の判決と介護事業所の対応
        #サービス共通 #リスク管理 #人材採用/定着
        小濱道博
        2024.10.24
        2024年介護報酬改定後の運営指導対策〜通所介護編〜【解説・小濱道博】
        #リスク管理 #サービス共通
        畑山浩俊
        2024.10.09
        台風で介護施設職員の自家用車が破損!法人の責任は?~BCP策定後シミュレーションに役立つ解説
        #サービス共通 #リスク管理 #BCP関連