厚生労働省は8月18日に介護職員等ベースアップ等支援加算に関するQ&Aを新たに発出しています。
算定要件(加算額の3分の2以上を介護職員等の基本給または決まって毎月支払われる諸手当ての引き上げにあてること)を満たしていなければ、加算額の返還を求めるという同省の解釈を示したものです。以下にその内容を転記します(太字表現は編集部)。
*2023年7月7日発出のQ&A(実績報告書の書き方に関する見解や職員の賃上げの考え方について示したもの)はこちら
*介護職員等ベースアップ等支援加算の加算要件(2022年度介護報酬改定対応バージョン)はこちら
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問 介護職員等ベースアップ等支援加算について、加算額以上の賃金改善を実施しているものの、結果として、基本給又は決まって毎月支払われる手当による賃金改善額が、全体の賃金改善額の三分の二以上にならなかった場合、加算額を返還させる必要はあるか。
答
介護職員等ベースアップ等支援加算(以下「ベア加算」という。)については、加算額以上の賃金改善の実施に加えて、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働大臣告示第95号)において、介護職員及びその他の職員のそれぞれについて、賃金改善に要する費用の額の三分の二以上を基本給又は決まって毎月支払われる手当(以下「ベースアップ等」という。)に充てる賃金改善計画を策定し、当該計画に基づき適切な措置を講じることを要件としている。
このため、加算額以上の賃金改善を実施しているものの、利用者数の増加等によりベア加算の加算額が賃金改善計画で想定していた額を上回り、ベースアップ等による賃金改善額が、全体の賃金改善額の三分の二以上にならなかった場合には、速やかに賃金規程を改定しベースアップ等の増額を図るべきであり、こうした措置が図られなかった場合、原則として、ベア加算の要件を満たさないため、加算額の全額返還が必要と考えられる。 ただし、賃金改善期間の終盤に、予見できない事情でベア加算の加算額が賃金改善計画書で想定していた額を上回り、賃金規程の改定によるベースアップ等の増額が間に合わなかったなど、合理的な事情が認められる場合は、この限りではない。
この場合、翌年度以降、同様の事態が生じないよう、賃金改善計画を立てる段階で、ベースアップ等による賃金改善見込額が、全体の賃金改善見込額の三分の二を大きく超えるよう設定することが適当である。 なお、いずれの場合であっても、加算額以上の賃金改善が実施されることは必要である。
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