2022年2月から9月までの介護職員らの賃上げを手当てする「介護職員処遇改善支援補助金」について、各サービスごとの交付率などの調整内容が示されました。申請に関するスケジュールを含め、介護事業所での対応についても大枠が明らかになっています。
12月20日に成立した2021年(令和3年)度補正予算には、介護職員や保育士、看護師らの月収を2022年2月から9月まで引き上げるための交付金(補助金)に充てる経費が盛り込まれています。金額の規模は、介護職員の場合で月3%程度(9,000円)の賃上げを図るものとされていますが、実際の運用では事業者の裁量で他の職員の処遇改善にこの補助金を充てることができます。
なお、12月22日には2022年10月以降もこの賃金引き上げを維持するための対応として、臨時の介護報酬改定が行われることも鈴木俊一財務相と後藤茂之厚生労働相との間の大臣折衝事項として決定しています。
2月から9月までの補助金の支給要件として、
・介護報酬の「処遇改善加算」の(I)(II)(III)のいずれかを取得している施設・事業所であること
が織り込まれることは既に示されていました。
これに加えて、12月24日に持ち回り開催された社会保障審議会・介護給付費分科会で委員に示された資料では、最新の調整内容として介護サービス種別に応じた補助金の交付率などが示されました12月27日付けの都道府県や中核市等向けの事務連絡でも同様の内容が周知されています。
【画像】第205回社会保障審議会介護給付費分科会(持ち回り開催)資料より(以下・同様)
各事業所への支給額は、処遇改善加算や特定処遇改善加算のようにサービスごとに設定されている交付率を、事業所が算定している総報酬にかけて算出した額となる予定です(上の表参照)。
つまり、介護職員処遇改善支援補助金の交付額は、
総単位数(処遇改善加算+特定処遇改善加算を含む単位) 地域単価 交付率 = 補助金額
となります。
加算の算定などが多くない場合に加え、サービスごとの交付率が最低人員配置基準を基にして決められていることから、人員配置基準よりも多く職員を配置している場合においても、今回の補助金だけを使って「1人当たり月額9,000円の賃上げ」を実現できる事業所は多くなさそうです。
なお、訪問看護や訪問リハビリテーション、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅療養管理指導、居宅介護支援、介護予防支援が補助の対象外となるのは、既報の通りです。
そのほかに、補助金を取得するために介護施設や事業所で必要な対応は以下の通りです。
・各事業所が対象職員に賃上げを実施(一時金での支給可能。就業規則等の改正が間に合わない場合、2月分も含めた賃金改善を3月に実施することも認められる見通し)。
・賃上げを実施する旨を都道府県が指定する方法で報告する。
・補助金を申請する事業所が都道府県に対し、月当たりの賃金改善額(対象とする職員全体の総額)を記載した処遇改善計画書などを提出する。
・対象職員の「基本給」か「決まって毎月支払われる手当」を、補助額の3分の2以上を使って引き上げる
・都道府県から各介護事業所への補助金交付開始
さらに、補助金を給与として支払った後は、処遇改善加算などと同様に、文書での実績報告も必要になる方向で現在調整が進んでいます。
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