訪問看護事業のM&A後の統合プランの考え方:全くの異業種が訪問看護ステーションをM&Aをする場合

2023.01.31
2023.02.07
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前回、訪問看護とは隣接領域である介護事業者が訪問看護事業をM&Aをする場合の組織の統合プランについてご紹介しました。今回は全くの異業種の方が訪問看護ステーションをM&Aをする場合の統合プランについてみていきましょう。

目次
    訪問看護業界にどのように関わるのかメッセージを打ち出す
      内部に訪問看護がわかる人材を用意し、外部専門家も活用する
        解凍:M&Aの目的とこれからのビジョンを伝え、安心して仕事に打ち込める体制をつくる
          移動:バックオフィス業務の集約
            最後に

            訪問看護業界にどのように関わるのかメッセージを打ち出す

            全くの異業種の方が訪問看護ステーションをM&Aをする場合、前回・前々回とご説明した事例と比較して、「なぜ自社で訪問看護事業を始めるのか」ということについてより明確にメッセージを打ち出す必要があります。

            なぜなら訪問看護事業は、多くの関係機関と協力することで利用者の在宅生活を支えるサービスです。そのため、地域医療を支える様々な機関との連携が必要不可欠です。地域医療を担う一員としてサービスを提供していくために、「なぜ私たちは訪問看護事業を始めるのか」を明確化し、地域社会に向けて一貫したメッセージを送る必要があるでしょう。

            内部に訪問看護がわかる人材を用意し、外部専門家も活用する

            地域社会に認められ、訪問看護事業をおこなっていくためにも、事業の要となる買収先の看護師たちの尊敬を勝ち取る必要があります。

            そのためには前提として、自組織の内部に看護師がいることが望ましいと考えられます。実際、買収を持ち掛けようとしている企業が訪問看護事業を行なっていなかったために、訪問看護ステーションから買収を拒否されたという話もあります。そうした事態を避けるためにも、M&A実施の前に自社の方針を理解し、訪問看護ステーションのM&Aを推進する中心人物となる看護師を採用しておく必要があると考えられます。M&Aの実施前にそうした立場を担う看護師を採用するためにも、自社がなぜ訪問看護事業に進出するのかビジョンを明確化しておく必要があるでしょう。

            また、M&A後の統合プロセスを支援する社外の専門家の力も借りることを視野に入れておくべきでしょう。そのような組織づくりの専門家は、関係者間のしがらみに囚われにくく、組織統合におけるプロセス全体を俯瞰した上で必要な動きをすることができます。もちろん社外の専門家の力を借りる場合であっても、社内メンバーと社外専門家の密な連携は欠かせません。

            それでは、今回もレヴィンの組織変革の3ステップに沿って統合プロセスの流れを説明していきます。

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