GoogleのAI “Gemini”を使って議事録作成も調べ物も簡単に!―介護現場で役立つITツールbyタダカヨ②

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こんにちは、次田芳尚(つくだよしなお)と申します。私は札幌市で完全テレワーク型の居宅介護支援事業所(以下「テレマネ」と言います)を運営しているケアマネジャーの1人です。介護事業所を対象に生産性向上のためのコンサルティングをさせていただいております。また、一方で介護業界の一員として、「生産人口の減少」「介護離職」という課題に対して一般企業様への介護離職防止コンサルティングサービスも行っています。

今回は、「お金のかからないIT」を普及させる活動に取り組む今回は、「お金のかからないIT」を普及させる活動に取り組むNPO法人タダカヨの一員として、テレビCM等でも目にすることが多くなったGoogleのAI「Gemini」を使った生産性向上についてお伝えしていきます。

難しい手順を覚えたり、特別なスキルを身に着ける必要はないのでぜひ気軽に取り入れてください。

生成AI”Gemini”とは何か

GoogleのGeminiは、生成AIという分類のサービスの一つです。難しく聞こえるかもしれませんが、音声や写真を使って自分のやりたいことを、スピーディーにこなしてくれるパートナーだと思ってください。皆様が日頃使っているスマホやパソコン、そしてタブレットを使ってこの優秀なパートナーと仕事を効率よくこなしていくために、一緒に学んでいきましょう。

なお、生成AIには、今回紹介するGemini以外にも、オープンAI社が提供しているChatGPTやAnthropic社が提供しているClaude(クロード)などがあります。

Geminiに聞いてみた!従来のAIとの違い

AI自体は、以前から各方面で活用されてきました。


では、なぜ今、”生成AI”が注目を集めているのでしょうか。

Geminiに生成AIと従来のAIの違いを尋ねてみたところ、以下の通り回答してくれました。

従来のAIは、主に既存のデータからパターンを認識し、分類や予測を行うことを得意としていました。例えば、画像に写っているものが犬か猫かを判別したり、過去のデータに基づいて未来の売上を予測したりするといったタスクです。

一方、生成AIは、新しいデータを作成することができます。例えば、文章生成AIであれば、ブログ記事や小説、詩などを自動で生成することができますし、画像生成AIであれば、写真やイラスト、絵画などを生成することができます。

生成AIが扱うデータもさまざまです。
その種類についてもGeminiが整理してくれました。

  • テキスト生成AI: 文章、詩、コードなどを生成
  • 画像生成AI: 写真、イラスト、絵画などを生成
  • 音声生成AI: 音声、音楽、効果音などを生成
  • 動画生成AI: 動画コンテンツを生成
  • その他: 3Dモデル、ゲーム、デザインなどを生成

Geminiの使い方

Geminiは、ウェブブラウザとGoogleアプリのいずれかで使うことができます。

  • ウェブブラウザ:インターネットを閲覧する際に使うブラウザからGeminiを利用できます。ブックマークやURLショートカットを設定しておくと便利です。
  • Googleアプリ:専用のGoogleアプリをインストールして利用することができます。

機能に大きな違いはありません。お好みの方法でご利用ください。

ウェブブラウザーで使用する場合(パソコン)

  • ブラウザを開き、URLを登録します
  • または、検索でGeminiと検索します
  • 「Geminiと話そう」のボタンを押します

アプリで使用する場合

  • Googleアプリをインストールする
  • アプリを開く
  • Geminiに切り替える

(注意:
2024/09/29現在、企業アカウントにはGeminiのアプリケーションは対応していない場合があります。)

〜Tips〜
iphoneのショートカット機能を使ったブラウザーをアプリっぽく使う方法

2024/09/29現在、企業アカウントでは、GoogleアプリからGeminiを使うことができません。

iPhoneの場合は、ブラウザで開くお気に入りのURLをショートカットでホーム画面に設定しておくこともできます。

Geminiでできるこんなこと

  1. 音声検索
    インターネット検索よりも簡単に、音声で情報を探すことができます。
  2. 画像認識
    写真の内容を分析し、関連情報を得ることができます。
  3. OCR機能
    書類を撮影し、テキスト化する機能です。介護現場ではアセスメントなどに活用できます。
  4. 翻訳機能
    多言語に対応し、文書を瞬時に翻訳します。
  5. 文章作成支援
    イベント案内などの文書作成をサポートします。
  6. 要約機能
    長い文章を要約し、重要なポイントをまとめます。
  7. 議事録作成支援
    会議の要点を自動的に抽出します。
  8. 記録作成支援
    日々の支援経過を記録し、分析に役立てます。
  9. 資料比較
    複数の資料を比較し、不足箇所を特定します。

いずれの機能を使う場合も操作はとても簡単。キーボードで入力しても良いですし、マイクボタンを押して話しかけて使うこともできます。Geminiがまるで優秀な助手や秘書のように、調べ物から資料作成まで、幅広くサポートしてくれます。

今回は、ケアマネジャーの仕事で頻繁に行う「担当者会議の要点」作成を例に、使い方を説明します。

(マイクのボタンを押して、マイクの周りがふにゃふにゃしてきたら音声で話しかけられます)

「担当者会議の要点」を作成する手順

  1. 会議を録音する
  2. 音声をテキスト化する
  3. テキスト化した内容から個人情報を入れ替える
  4. Geminiにテキストを読んでもらい要約を作成する
  5. 出力をして保存または介護ソフトへコピー&ペーストする

1.会議を録音する

会議の録音はスマホでもできますし、2000〜3000円程度でとてもコンパクトな音声レコーダーを購入することもできます。まずは、音声を録音してください。この時のポイントとして、会議の冒頭に出席者の確認をしてください。出席者の紹介をケアマネジャー自身が行うか、それぞれにしていただければOKです。

2.音声をテキスト化する

この工程では、スマホで無料の音声録音とテキスト化を行える「CLOVA Note(クローバーノート)」というアプリを使うのがおすすめです。このアプリを使うと、話者分離と言って話している人の声の特徴を捉えて、話している人ごとに聞き分けをしてテキストにしてくれます。

3.テキスト化した内容から個人情報を置き替える

テキストした内容から個人情報を削除または入れ替えます。Geminiは無料で使える機能ですが、無料で使う場合は、AIの学習にデータを活用されるものと考えてください。AIを業務で活用する場合、個人情報を渡さないことが重要です。そのため、テキスト情報からお名前や住所などを削除したり、別の言葉に変更します。

例えば、ご利用者様が山田太郎さんだとして次のような処理をします

「山田太郎さん」を「ご本人」または「ご利用者様」に置換します。
「〇〇市〇〇町1-2-3」のような住所を含む発言は、「お住まい」に置換します。

重要
Geminiのプライバシー規定

Geminiは常に入力されたデータから学習をしています。個人を特定できるような情報はできる限り使わないようにしましょう。データを学習に使用されないようにするには、Googleアカウントから設定をしてください。

(googleのヘルプページ)

4.Geminiにテキストを読んでもらい要約を作成する

テキスト化ができたら、Geminiに読んでもらいます。手順としては、会議の内容を文字起こししたテキストをコピペします。その後に、担当者会議の要点の要素にまとめてもらいます。

この時、Geminiには次のように伝えます。

  • 会議の要点を箇条書きでまとめてください。
  • 各要点に、関連する発言者と発言内容を簡潔に記述してください。
  • 決定事項や今後のアクションプランを明確に示してください。
  • 担当者会議の要点は次の項目でまとめます
    • 主席者と関係
    • 検討した項目
    • 検討内容
    • 結論
    • 残された課題

このように指示することで、Geminiは会議の要点をより的確にまとめてくれます。

(注意:必ずしも結果が正確にまとまるとは限りません。お願い文書(プロンプト)は色々と試して自分にとってベストなものを作り上げてください。)

5出力をして保存または介護ソフトへコピー&ペーストする

Geminiが要約してくれた結果は、必ず内容を確認をして介護ソフトや用意してある帳票にコピペして活用しましょう。

((画像)厚生労働省「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」より筆者が加工)

特別なスキルがなくても生成AIを使って生産性を向上

冒頭にもお伝えしましたが、AIを仕事のパートナーとして使うことで生産性は格段に向上します。助手や秘書のように考えていただき、活用していくのが良いでしょう。知識を身に着けるためには時間をかけて調べごとをすることも大切ですが、パートナーであるAIに調べてもらい、出力結果の内容を確かめることで、短時間で必要な情報を細部まで調べることができます。また、AIのOCR機能を使って、画像などからテキスト化し、さらにその内容をわかりやすく要約して文章にすることも可能です。

第1回で紹介したGoogleレンズと併せて、簡単かつ無料で使えるICTツールで、仕事の効率化が図れることは伝わりましたでしょうか?

次回は、Googleのノーコードツール「AppSheet」を活用して、自事業所に相性の良いアプリを作り、IT化を加速する方法をご紹介します。

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