2024年から訪問看護ステーションでも策定が義務化された業務継続計画(以下・BCP)。
前回は、従来の防災計画等との違いなどについてお伝えしました。今回は、負担に感じられるBCPの策定について、着手へのハードルを下げるための便利なツールと活用方法をご紹介します。
1.BCPはどうやって作るの?
BCPの作り方にはこれを絶対!!はありません
BCPの作り方は大きく分けると「事業者が自由に作る」か「ISO22301を取得する」の2つがあります。
現在策定されているBCPの大多数は前者によるものです。
例えば、書籍やガイドラインを参考に自社のBCP担当者が自力で作成する、行政や各種団体が用意しているテンプレートを用いて作成する、専門家やコンサルタントに依頼するといった方法です。
訪問看護ステーションで使えるBCPを作るためのテンプレート
以下、代表的なテンプレートをご紹介します!
・厚生労働省がひな形とガイドライン、作成のための動画を出してくれています
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html
・一般社団法人 全国訪問看護事業協会
https://docs.google.com/document/d/1-GuRJkAAiYWzTCYj12V5oIvkajBCKTGO/edit?usp=sharing&ouid=105436738912328859793&rtpof=true&sd=true
・中小企業庁
入門編は1-2時間で作成できます。
他業界のBCPの事例集も載っています!
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/bcpgl_download.html#word1
ややこしいBCP!簡単便利な制作補助ツール
とはいっても、
・BCPを作成しなくちゃ!とテンプレートを開いたけど数秒固まって、そのまま閉じた
・内容の多さに圧倒されて、何からやっていいのか分からなく立ち尽くす…
こんな方は多いのではないでしょうか。
事業所にとって大事なのは、『出来ていること』と『出来ていないこと』を明確にして、BCPを実際に活用できるものにすることです。
そのために、今回は便利なシートをご紹介します。
それが大阪府超簡易版BCPです!!
・感染症版https://www.pref.osaka.lg.jp/keieishien/bcp/tyoukannibanbcp_2.html
・自然災害版https://www.pref.osaka.lg.jp/keieishien/bcp/tyoukannibanbcp.html
2. BCP作成のコツ
BCP作成のための全体像を捉える
大阪府超簡易版BCPは感染症、自然災害ともに大きく6項目で構成されています。
一旦はこの6項目を完成させ、実際に活用するために不足している部分をそこから深ぼっていくイメージです。
<大阪府超簡易版BCPの大項目>
私の事業所でこちらの項目を記載した時の例を紹介させて頂きます。
<表1.自然災害BCP>
<表2.感染症BCP>
まずはざっくりと作成してみる
厚生労働省のものや出回っているテンプレートは内容が詳しすぎてハードルが高いかと思いますが、大阪府の簡易版だと30~60分で作成できます。
まずは作成してみれば、足りないところも考えやすいでしょう。
深ぼっていく過程で、厚労省や他のテンプレート、事例集を活用することがうまく進めるポイントです!
ここから実際に超簡易版BCPの書き方をお伝えします。
今回は自然災害BCPを例にとり、6項目の内容と記載のポイントを説明させて頂きます。
3. 大阪府超簡易版BCP(自然災害対策版)を記載してみよう!
①基本情報と②発動条件
③BCP発動時の組織体系

④発災時の出社・帰宅体制
⑤減災の事前対策
⑥復旧に向けての取り組み
その他:知っておきたい警戒レベルの考え方について
従業者BCP携行カード
大阪府超簡易版を埋めるとこちらの従業員用のカードも作成、印刷できるようになっています!
簡易ツールを使ってBCP対策へ最初の一歩を踏み出そう
BCP対策は2023年度内に必須の取り組みです。
作成がゴールではなく、いかに現場で活かせるかが重要です。
現場で活かし、会社もご利用者様も守っていくためにもまずは「大阪府超簡易版BCP」に着手してみて下さい!