最近、訪問看護ステーションの経営者さんや訪問看護ステーション経営に興味を持っていらっしゃる方からM&Aについて相談されることが増えてきました。
どうやら、訪問看護ステーションを開業している、もしくは開業に興味がある方に対して仲介業者の方からM&A案件のお話がよく来るそうなのです。この記事を読んでいらっしゃる方の中にも、もしかしたらそういった経営者さんがいらっしゃるかもしれません。
M&AとはMergers and Acquisitions(企業の合併・買収)の頭文字を取ったものです。事業の成長や継続を考えたとき、M&Aは非常に有効な手段です。介護経営ドットコムの記事の中にもM&Aついて紹介したものが多数あります。
M&Aについては、買収精査(デューデリジェンス)のプロセスをサポートする外部機関は数多くあります。実際にこのような外部機関のサービスを利用する経営者の方も多くいらっしゃいます。
しかし、実際にM&A締結後の組織の統合のプロセスに入ると、予算の関係もあってか、外部の専門家を利用する経営者の方は少なくなるようです。ですが、M&Aによって期待した成果を得るためにはこの統合プロセスで生じる困難を乗り越えるための手立てが必要になります。
そこで今回から数回にわたって、M&A後の統合プロセスに焦点を当て、起こりやすい問題を明らかにし、経営者がやるべきことを紹介したいと思います。
一口に訪問看護ステーションのM&Aと言っても簡単に分けて9つのパターンがあり、それぞれに使える資源(ヒト・モノ・カネ)やM&Aの目的が異なります。自社でM&Aを考えるのであれば相手先と自社がどれにあたり、どうすればお互いにWin-Winの取引とすることができるのかを考えると良いのではないでしょうか。
(つるがやまさこ)合同会社manabico代表。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。看護師、保健師、MBA。大学病院(精神科)、訪問看護、事業会社での人事を経験後、株式会社やさしい手看護部長として訪問看護事業の拡大に寄与。看護師250人超の面談を実施し、看護師採用・看護師研修等の仕組みづくりをする。看護師が働きやすい職場環境作りの支援を目指し合同会社manabicoを立ち上げる。 【合同会社manabico HP】https://manabico.com