【2024年度介護報酬改定】福祉用具販売と貸与の選択性導入の可否などが焦点―社保審・介護給付費分科会

2023.08.16
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2024年度介護報酬改定に向けて個別サービスを巡る論点が整理されてきいます。福祉用具・住宅改修を巡る対応については、「介護保険における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」で検討されてきた内容を踏まえつつ、今回の改定での対応を探っていくことになりそうです。

社会保障審議会・介護給付費分科会におけるこれまでの検討状況のうち、福祉用具・住宅改修について整理します。

厚労省が示す「福祉用具・住宅改修」の論点と方向性

福祉用具・住宅改修における検討の方向性として、厚労省が提示した論点は以下の通りです。

「福祉用具・住宅改修を取り巻く状況の変化や『介護保険における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会』の議論の整理等を踏まえ、福祉用具等を利用者に適時・適切に提供するという観点から、どのような方策が考えられるか」

福祉用具・住宅改修を巡っては、22年2月より、「介護保険における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」で別途、福祉用具の販売と貸与の「選択制」の導入の可否をはじめ、制度やサービスの現状と課題を踏まえたあり方等について検討が行われてきました。同年9月にはそれまでの議論の整理がとりまとめられています。

*関連記事:次期介護保険制度改正へ福祉用具販売と貸与の「選択制」導入など検討事項とりまとめ

とりまとめ時点では、制度の見直しなどを検討するためのデータの不足が指摘されていたため、7月には新しいデータを示したうえで更なる検討を行ったことが、同月末の社会保障審議会・介護給付費分科会で報告されました。

前述の福祉用具の貸与・販売を巡る制度改革を初め、同検討会では引き続き、以下の3点について議論します。

【1】福祉用具貸与・販売に関する安全な利用の促進、サービスの質の向上等への対応
【2】福祉用具貸与・販売に係る適正化の方策
【3】福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方

これらの検討結果は本分科会に共有されることとなっており、そのうえで介護報酬改定に向けた議論が具体化されることになりそうです。

福祉用具を巡る近年の厚労省の施策

厚労省はこの日の分科会で、福祉用具を巡る近年の施策についても整理して示しています。

  • ”概ね1年に1度の頻度”としていた貸与価格の上限設定の見直し頻度を21年度から3年に1度の頻度に見直し
  • 福祉用具専門相談員の質の向上を目的にとして以下の取組を実施

・福祉用具貸与計画書及びモニタリングシートの改編様式の作成(2021年度)
・作成した様式を使用したサービス等の標準化への取組の実施(2022年度)
・福祉用具専門相談員の指定講習カリキュラムの見直し(23年度の老健事業。新カリキュラムは24年度に通知等改正・25年度施行予定)

(【画像】福祉用具専門相談員指定講習カリキュラムの見直しに関する資料(第220回社会保障審議会介護給付費分科会資料より)

委員からは、利用者の安全性や状況に応じた適切な福祉用具利用の担保を要望する意見があがったほか、並行して開催される「あり方検討会」の議論状況や細やかなデータ情報の共有を求める声がありました。

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