感染症・災害対策の研修や訓練など義務化 全サービスで運営基準見直しの方向

2020.11.13
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日本各地で患者数が増加し、冬に向けて感染拡大が心配されている新型コロナウイルス。11月9日の第192回社保審・介護給付費分科会では、感染症対策への取り組みについて、運営基準上で義務化するなどの議論が行われました。

感染症対策の委員会設置や研修など義務化

現状の感染症対策等の規定には、運営基準上で義務づけられているものと、努力義務のものがあります。サービス種別よって、その内容は異なります。

厚労省は介護サービス事業者の感染症対策の徹底を求める観点から、各運営基準において取組の義務化を提案しました。

施設サービスではこれまでの規定に加えて、訓練(シミュレーション)の実施を追加する方針です。訪問系、通所系、居住系サービス等においては、これまで規定のなかった、委員会の開催や指針の整備、研修や訓練(シミュレーション)の実施を義務化する方針です。いずれも経過措置を設けることを前提に議論されています。

業務継続計画(BCP)策定の義務化

地震や豪雨などの自然災害で毎年のように被害が発生しており、2018年度から2020年度にかけて介護報酬等の臨時的な取扱いが適用されるケースが増えています。

今後、感染症や災害が発生した場合でも、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を整えておくために、全ての介護サービス事業者を対象に、業務継続計画の策定や、研修、訓練の実施などを義務化する方針が提案されました。事業者の準備が必要であることから、経過措置が設けられます。

委員から準備に必要な費用の負担について質問があると、厚労省は費用を補助していきたいという考えを示しました。事業所規模によっては費用だけの支援では整備が難しく、整備のための様々な支援が必要ではないかという指摘もありました。

災害訓練など地域住民との連携を努力義務化

現状では、小規模多機能型居宅介護と認知症対応型共同生活介護において、災害対策の訓練を実施する際の地域住民との連携が努力義務となっています。

施設系、通所系、居住系サービス事業者についても、災害訓練の実施等において地域住民との連携を努力義務にすることが提案されました。

新型コロナ下での臨時的な取扱いの継続

通所介護の報酬特例など、現在、新型コロナウイルスの影響による人員基準等の臨時的な取扱いが適用されています。通所介護と地域密着型通所介護への調査によると、2区分上位の報酬を算定できる特例を適用した事業所は50.6%、適用事業所利用者のうち特例適用者は平均79.3%との結果が出ています。

新型コロナウイルスなど感染症が流行し、3密回避などで利用者が減少した場合でも、安定的・継続的にサービスが提供できるよう、通常の報酬体系で安定的運用を可能とするための対応を検討する方針が示されました。

全国健康保険協会の安藤伸樹氏は、介護サービス事業所の収入が、6月以降は改善してきていることや、感染対策に関わる経費について緊急包括支援交付金等による支援が行われていることを指摘。

「介護報酬改定による恒久的な措置を行うことが適当かどうかは慎重に検討すべき。臨時的に実施すべきこと、恒久的に実施すべきことの考え方を明確化すると共に、財源についても公費または介護報酬のどちらで対応するのか考え方を整理していただく必要がある」との意見を示しました。

引用:第192回社会保障審議会介護給付費分科会「感染症や災害への対応力強化(検討の方向性)」より

※本記事は「介護マスト」から移行しており、記事は2020年11月12日掲載のものです。

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