前回は、GRPIモデルの『Roles(役割)』と『Process(段取り)』が明確になっている状態をどの様作り、不平不満を生まない組織を実現するかについて説明をいたしました。今回も引き続きGRPIモデルから、『Interpersonal Relationship(人間関係)』について詳しく説明をして、組織の状況を改善していく方法論について解説していきます。
これまで3回にわたって、組織開発に用いられるGRPIモデルから『目的・目標(Goal)』『役割(Roles)』『段取り(Process)』という3つの要素が明確である状態を、どのように実現していくかを説明してきました。今回は最後の要素である『Interpersonal Relationship(人間関係)』について説明をいたします。
看護師定着と売上獲得を叶えるための組織づくりで説明したように、チーム内で起こる衝突の原因の80%は『目的・目標(Goal)の不明瞭さ』、16%は『役割(Roles)の不明瞭さ』、3.2%が『段取り(Process)の不明瞭さ』となっており、『人間関係(Interpersonal Relationship)』自体に起因するチーム内の衝突は0.4%という研究結果があります。そのため、前回までの3つの要素を明確化し職員に共有して腹落ちしてもらえるように丁寧に対話をするというプロセスに取り組むことで、人間関係(Interpersonal Relationship)の不和はほぼ防げると考えられます。
しかし、それでも起こり得る人間関係(Interpersonal Relationship)の不和を防ぐためにできることは2つあります。
一つ目は、組織にフィットした人を採用することです。こちらのコラムでご説明したように、期待と能力とフィーリングのマッチングを丁寧に行なっていくと組織に合わない人を採用する可能性を低くできます。
二つ目は、心理的安全性の高い組織を実現ことです。心理的安全性についてはこちらとこちらのコラムで説明したように、(1)土台を作る、(2)参加を求める、(3)生産的に対応するという3つのステップで作っていくと良いと考えられています。ですので、この3つのステップを意識しながら『目的・目標(Goal)』『役割(Roles)』『段取り(Process)』という3つの要素に取り組んでいくと自然と心理的安全性が高い組織づくりにつながるのではないでしょうか。
チームの人間関係(Interpersonal Relationship)が良好な組織についてまとめると、下記の様な状態であると考えられます。
(つるがやまさこ)合同会社manabico代表。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。看護師、保健師、MBA。大学病院(精神科)、訪問看護、事業会社での人事を経験後、株式会社やさしい手看護部長として訪問看護事業の拡大に寄与。看護師250人超の面談を実施し、看護師採用・看護師研修等の仕組みづくりをする。看護師が働きやすい職場環境作りの支援を目指し合同会社manabicoを立ち上げる。 【合同会社manabico HP】https://manabico.com※プロフィールは記事配信当時の情報です