介護従事者の処遇改善へ、事業所の取り組み見える化を国の調査でも推進

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厚生労働省は6月28日、介護従事者処遇状況等調査の実施案を示しました。
介護事業所の職員(介護職員や医療専門職種、事務員など)の給与やその引き上げの実施状況などの実態を調べ、その結果は次期2024年度介護報酬改定の検討材料として使われます。
厚労省は、この調査で、給与の引き上げ状況だけでなく、従事者が働きやすい環境づくりの取り組みについて見える化を推進する方針です。同調査の実施内容や今後の予定をお伝えします。

21年度の介護従事者処遇状況等調査の実施内容とスケジュール

同調査は、介護従事者の処遇の状況と「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」の影響などを評価するために行うもので、介護報酬改定のための基礎資料としても使われます。

今回、社会保障審議会・介護給付費分科会の専門委員会に示された調査内容に関する案は、2021年度介護報酬改定の影響を図るために10月に実施され、結果は3月に公表される予定です。

同じ目的の調査が20年度にも実施されており、厚労省はこの日の委員会で21年度に実施する際の変更点を示しました。主な内容は以下の通りです。

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*厚労省資料「令和3年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」を基に一部要約して作成

入職促進や生産性向上のための業務改善の取組、実態の把握へ

調査項目(調査票の設問)の具体的な変更点としては、給与の引き上げ状況についてより詳しく状況を調べる(給与の引き上げがされている場合、それが介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算によるものなのか、それらに関わらず引き上げを実施しているのかを調べる)ほか、新たに「入職促進に向けた取組」や「生産性向上のための業務改善の取組」などの事業所による実施状況を把握する方針が示されました。

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※上記はいずれも厚生労働省が示した調査票(案)を一部抜粋

委員からは、調査対象となる施設に居宅介護支援事業所が入っていないことを問題視する意見があったほか、新型コロナの影響を把握するための調査項目を設定する必要性が指摘されました。

今後、厚労省は、委員からの指摘を踏まえ、具体的な対応や調査項目の修正を検討し、座長(田中滋・埼玉県立大学理事長)と協議のうえでその結果を介護給付費分給付費分科会に報告する予定です。

関連記事:処遇改善加算・特定処遇改善加算 2021年度介護報酬改定の変更ポイント

関連ページ厚労省第32回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料

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