訪問看護ステーションのBCP ~有事に機能するシンプルなマニュアル作成

2023.04.25
2024.01.30
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策定の義務化が2024年に迫っているBCP。作成手順などの情報はあふれていますが、いざとなったときに誰もが見て動くことができる現場マニュアルはできていますか?

これまで各所からBCPとは別に、こうした実用のためのマニュアル作りに困っているという相談を頂いています。そこで、今回は、災害などが起きた時、誰が見ても実践に移せる”シンプルなマニュアル”をどうやって作成するか、考え方をお伝えします!

目次
    BCP作成に向けて陥りがちな失敗パターンとは
      原因事象アプローチと結果事象アプローチという考え方
      シンプルなマニュアルを作る意義

      BCP作成に向けて陥りがちな失敗パターンとは

        BCPの作成に取り組まれた皆様は、以下のようなお困りごとに直面したのではないでしょうか。
          ・計画に記載している文章量が多すぎて分かりづらい
          ・策定している内容が複雑すぎて実際には使えない
          ・重要業務などの優先順位が付けられていない 

      このような要素が1つでも該当している計画は現場での運用が困難です。

      BCP作成で優先すべきことは「必要な人が、必要な内容を、必要な時に使えるようにすること」です。

      それでは、この目的を達成するための考え方と作成方法について紹介していきます。

      原因事象アプローチと結果事象アプローチという考え方

      原因事象アプローチとは

      原因事象アプローチとは、「感染症」「地震」「火災」「風水害」などの業務継続を困難にする要因に対して、個別に対策(マニュアル)を記載する方法です。

      現在厚労省や全国訪問看護事業協会が示しているBCPの作成方法やマニュアルはこの方法を採用しています。全体を網羅しており、抜けがないという利点はありますが、マニュアルの数が原因の数だけ膨らみ、膨大な資料になってしまうという欠点があります。

      マニュアルの数が増えれば作成する側はもちろん内容を覚える側にも負担がかかります。訓練する内容も増え、1年以内に全部行う事はできなくなります。 そして、こうしたアプローチのリスクとしてしっかり認識しておかなければいけない事は、マニュアルにない「想定外」の出来事に対し、対応が取りづらいことです。

      災害下では、想定外の出来事が連続して起こります。

      結果事象アプローチとは

      これに対して、結果事象アプローチとは、業務継続が困難となる原因の違いに関わらず、起こる結果は共通しているという観点からマニュアルを作成することです。

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