科学的介護情報システム(以下・LIFE)では8月3日から、事業所が5月に提供したサービスに関するフィードバック帳票のダウンロードが可能になりました。今回は、6月10日までに「確定」登録されたデータが集計の対象となっています。ダウンロードできるデータは、前回(6月23日)に提供開始された「暫定版」のフィードバック帳票同様、「ADL」や「口腔・栄養」などの利用者の状態について、全国の分布状況や平均値が参照できるものになっています。
それでは実際に、データの登録は全国でどのくらい進んでいるのでしょうか。また、蓄積された情報を活用してサービスの質を向上させることがLIFEが導入された目的の一つではありますが、現状では全国のサービス提供の実態についてどのようなことが読み取れるのでしょうか。これまでに提供されている4月と5月のサービス提供分に対するフィードバック帳票を基にして、サービス別の登録状況などを分析しました。
*関連記事:【LIFE最新情報】フィードバックデータの提供(暫定版)が開始、科学的介護推進体制加算の2021年度導入ポイントまとめ LIFEへの提出頻度など正式通知
現在、厚生労働省から提供されている「暫定版」のフィードバックデータでは、4月の介護報酬改定で新設された加算(「科学的介護推進体制加算」「栄養マネジメント強化加算」「栄養アセスメント加算」「口腔衛生管理加算」(II)「口腔機能向上加算」(II)「個別機能訓練加算」(II)「自立支援促進加算」など)の算定要件として提出が求められているデータについて、全国の利用者の分布や平均値などを確認することができます。
例えば、通所介護(デイサービス)について、科学的介護推進体制加算に関する(「科学的介護推進に関する評価(通所・居住サービス)のシート」)データの登録状況からは要介護度別では「要介護1~3」、年齢階級別では「80歳から90歳以上」がコアターゲットであることなどが分かります。
*表:科学的介護推進に関する評価(通所・居住サービス)シートの値(サービスは「通所介護」)を編集部で集計
ただし、開示されている情報には、誤入力などと見られる極端な値が登録されている場合も集計値に含まれています。そこで今回は、科学的介護推進体制加算の提出要件となっている項目のうち、最も入力者数が多いADLの状況について、平均値ではなく、登録されている利用者の実数を4月サービス提供分と比較してみました。
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