生活機能向上連携加算の算定要件緩和へ 通所介護と短期入所生活介護でICT活用の検討

2020.10.30
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10月15日、オンラインで第188回社保審・介護給付費分科会が開かれ、生活機能向上連携加算(通所介護・短期入所生活介護)について論点と検討の方向性が示されました。

厚生労働省は生活機能向上連携加算の算定率が、通所介護で1~3%前後、短期入所生活介護で1%前後と、非常に低いことを指摘。外部のリハビリテーション専門職と連携し、自立支援・重度化防止を推進するために、どのような対応が考えられるかとの論点を示しました。

2020年度の「通所介護における人材活用等の実態把握に関する調査研究事業」の速報値によると、外部との連携について、「該当の事業所・施設と連携したことがなく、依頼に躊躇してしまう」が24.6%、「近隣に該当の事業所・施設が存在するのかわからない」が10.8%という回答となりました。連携先の人手不足や、謝礼金額の調整ができずに連携できなかったという回答もあります。

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これに対して厚生労働省から、外部のリハ専門職との連携を促進するために、通所介護と短期入所生活介護でも「ICT活用を認めること(訪問介護や小規模多機能型居宅介護などではICT活用が認められている)」や「連携先を見つけやすくするための方策」の検討の提案がありました。

では、すでにICTの活用が算定要件に設けられている小規模多機能型居宅介護はどのような状況になっているのでしょうか。令和元年度「介護サービスにおける機能訓練の状況等に係る調査研究事業」報告書によると、ICTを活用した割合は13.3%。その効果として挙げられたのは「利用者の自宅を訪問する必要がないので、調査対象事業所・施設との連携がしやすくなった」75.0%、「利用者の状態が気になったたびにすぐに確認できるようになった」75.0%といった内容でした。

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生活機能向上連携加算の算定におけるICT活用については、出席した委員からは概ね肯定的な意見が出されましたが、この加算の算定率の低さについては、報酬が低額であることや、連携先が見つからないこと等、報酬設定や算定要件に根本的な原因があるのではないかとの意見も出されました。

今後の継続性については、連携先へのインセンティブや報酬上の評価の再設定が期待されるところです。

引用:第188回社会保障審議会介護給付費分科会「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の報酬・基準について」より

※本記事は「介護マスト」から移行しており、記事は2020年10月20日掲載のものです。

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