【介護経営ドットコム編集部より】
衆議院厚生労働委員会で行われた参考人質疑で、社会保障審議会・介護保険部会長の野口晴子氏は、2040年に向けた介護サービス基盤整備について「全国一律ではない」と指摘しました。地域ごとに介護需要の増減時期や人口構造が異なる中、従来の画一的な制度設計・事業運営からの転換が求められています。
主なポイントは以下の3点です。
①地域ごとに異なる介護需要への対応: 町村部では既に介護需要が減少局面に入る一方、3大都市圏では2035年以降に需要のピークを迎える地域もあり、地域差を踏まえたサービス基盤整備が重要とされました。
②全国一律ではない制度・運営への転換: 野口氏は、各地域が現在どのフェーズにあるのかを把握することが重要と指摘。人口構造やサービス需要の変化に応じた柔軟な制度運営の必要性を強調しました。
③事業所間連携や共同化の重要性: 人材不足が深刻化する中、単独事業所での安定運営は難しくなる可能性があり、地域によっては事業所間の連携・協働やバックオフィス共同化など、規模の経済を生かした運営体制づくりが必要になるとしています。
2040年問題「全国一律ではない」 野口介護保険部会長、地域ごとのサービス基盤整備を促す
衆議院の厚生労働委員会で20日、審議中の介護保険法などの改正案をめぐって参考人質疑が行われた。
この中で、これまで制度改正に向けた議論を重ねてきた社会保障審議会・介護保険部会の部会長を務める野口晴子氏(早稲田大学政治経済学術院教授)が意見陳述に立ち、いわゆる「2040年問題」について「全国一律ではない」と指摘。横並びの制度設計や事業運営からの脱却を促した。
野口氏は、介護需要が既に減少局面に入った町村部が少なからずある半面、3大都市圏ではそれが2035年以降に順次ピーク期を迎えていくなど、状況が地域間で大きく異なる実情を説明。従来の画一的なアプローチは限界に達しているとして、自らの地域が今どのフェーズにあるかを的確に把握することが第一歩になると呼びかけた。
政府は今国会へ提出した介護保険法などの改正案に、中山間・人口減少地域の事業所をより柔軟に運用できるようにする新たな仕組みの創設を盛り込んでいる。野口氏はこうした法改正の方向性を支持しつつ、「今後は全国一律ではなく、地域ごとの人口構造やサービス需要の変化を踏まえた対応がこれまで以上に必要になる」と強調した。
このほか、深刻な人材不足などで事業所単独での安定的な運営は一段と厳しくなると予測。「地域によっては事業所間の連携・協働、バックオフィスの共同化などを進めながら、ある程度規模の経済を生かしていくということも重要」と説いた。
*出典:介護ニュースJoint