はじめまして。わたしは、介護事業所のIT化を支援しているNPO法人タダカヨの本田康志と申します。 普段は介護ITフリーランサーとして、複数の介護の会社の介護DXについて取り組ませて頂いております。また、皆が完全テレワーク型で働く居宅介護支援事業所のDX担当役員という顔も持っています。
こんな私も元々は、特別ITに詳しい人ではありませんでした。
むしろ、現場で事務作業に苦しみ、IT化を進めようにもどうしていいか悩んできた経験があります。そして、この時の経験が現在のタダカヨでの活動の源泉となっています。 主な経歴として障がい者GHの世話人10年、デイサービス勤務7年間と、現場に17年間ほどいました。後に触れますが、デイでは管理者と現場スタッフの双方を経験しています。
今回は、このようなごく一般的な介護職員が、ITを専門として働くことになった経緯をお伝えします。
今から10年ほど前。 私はお泊り有りのデイサービスで、管理者として働いていました。
現場業務と事務作業のほか、スタッフ育成や営業など何でもしました。 きっとどこの管理者の方も同じだったと思います。
もしかすると10年たった今でも、介護現場の状況は変わっていないのかもしれません。
本来は、管理業務にもっと専念したいと思っていました。 しかし、介護スタッフが足りていない状況でそれは叶いませんでした。
シフトを組む時は、送迎、フロア、お風呂、夜勤業務がそれぞれ滞りなく回るよう頭を悩ませます。まるで難解なパズルを解くようでした。
それでも急なスタッフの休みでシフトに穴があいてしまうこともあります。
ほかにも現場では突然のトラブルに見舞われます。例えば、お泊り利用が急に入れば、即時に対応せねばなりません。
誰も入れる人がいなければ管理者がカバーします。 そのため、休みの日でも急な出勤となる事が有りました。
このような中で、鈍く重くのしかかっていたのは「事務作業」の負担でした。
記録や売上管理、シフト作成などパソコンと必死に格闘して日々を何とかやり過ごしておりました。しかし、ある日突然、限界が来ました。
負担の大きさについに耐えきれなくなった私は管理者を辞め、職場も変わることになりました。
それでもデイサービスの勤務が好きだったので、今度は一般のケアスタッフとして務めることにしました。
しかし、立場は変わっても毎日は相変わらず目まぐるしく、忙しいものでした。
パソコンに向き合う時間は減りましたが、それでも、計画書の作成や各種記録業務はありました。
このデイではこうした作業を主に手書きでやっていたため、非効率な転記作業などが多く、やはり消耗してしまいました。
「この苦しみは介護業界にいる限り逃れられないのか。いや、なんとかしないと」
ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」をVisionに掲げ、介護事業所に無料/低コストのITツールの普及活動を行っている非営利団体。所属メンバーの多くは、社会福祉法人や医療法人で勤務しており、本業の合間を縫ってタダカヨの非営利活動に励んでいる。介護従事者のための無料オンラインPCスクール「タダスク」、高齢者施設向け無料オンラインレク「タダレク」などを主催。