前回から、「訪問看護ステーションにおける年間教育プログラムと研修計画の立て方」をテーマにお伝えしています。
事業所として望ましい人材を育成するための考え方に続き、今回は具体的な教育・研修内容や方法を考える手順について取り上げます。研修計画の立案、評価などの運用の参考になる資料も添付していますので、ぜひ最後までご覧ください。
前回、スタッフ教育を考えるうえで大切なことの一つに「自分たち(会社、事業所)がどんな人物を求めているのかを明確にすること」があるとお伝えしました。
これを具体的な態度や行動に分解すると、例えば
・しっかりと挨拶ができる ・報連相が出来る ・自発的に行動できる
などが考えられます。
研修や教育の内容を考える上ではこのように事業所として望ましいと考える行動や態度を整理し、このような行動ができる人材を育てるために
・事業所内でのルールとして規定すべきか ・教える機会を作って考え方を身に付けていってもらうか
を区別しながら明確にしていきます。
まずは箇条書きでも良いので書き出していきましょう。
その際には抽象的な内容ではなく、できるだけ具体的に書き出してみて下さい。
また理想とする人物像が出てこない場合は、「こんな従業員は嫌だ」、「会社で働いて欲しくない」、という人物像を書き出して、その逆を考えてみてください。求めている人物像に近づけると思います。
研修や教育の内容を具体化していく過程では事業所の状態を分析することも重要です。
・何ができていて、できていないか ・事業所の課題や成長させていきたいポイントはどんなところか
上記の2点をしっかり把握していきましょう。
もし、何をしていいか分からない場合は
・スタッフに関して普段から困っている事は何か ・安全に訪問看護ができているか
の2点を考えていきましょう。
安全な訪問看護が実施できる体制が基盤としてあって、その先に専門性や特化する能力の育成があります。
まずは安全な訪問看護の実現を優先し、その前提として安全な訪問看護とは何かをしっかり押さえておきましょう!
では、「安全な訪問看護」とは何を指すのでしょうか。私は、以下2点に定義できると考えています。
1)リスクマネジメントの考え方を理解し、行動に移せていること 2)ご利用者様の状態を包括的に捉えながら しっかりとアセスメント、看護計画立案、実施、評価、見直しが出来ていること
これを詳述すると、以下のようになります。
訪問看護ステーションでは、運営基準を満たすために年間計画に沿って研修を実施する必要があります。ここでいう研修には、
1)1年に1度は必ずしなくてはいけない研修(運営指導で確認されます) 2)事業所に任されている研修
があります。まずこのことを押さえておきましょう!
1年に1回は必ずしなくてはいけない研修とはⅰ~ⅴの内容です。
上記の内容を1カ月に1度実施すると、5カ月分の研修プログラムになります。
のぞみ医療株式会社取締役。ビジケア株式会社経営企画担当者。看護師、保健師。平成22年大阪大学医学部附属病院でICU、精神科勤務。平成26年開業医を育てる院長のもとで、経営・会計学を学ぶ。平成29年-令和2年、ビュートゾルフ練馬富士見台に管理者として勤務、同時に数社の社外CFO、COOとして経営企画、財務を担当。令和1年ビジケア株式会社に参画。令和3年のぞみ医療株式会社取締役に就任。