<ケース>
プルル・・・・
朝7時に施設長の電話が鳴った。
もしもし?
スタッフ:施設長、朝早くからすみません・・・!
スタッフは泣いており、パニックに陥っている様子だった。
施設長:どうしたのですか!?
スタッフ:実は、花子さん(仮名)を殴ってしまいました。なかなか言うことを聞いてくれなくて、ついカッとなってしまって・・・。大変なことをしてしまった。どうしよう!申し訳ありません。どうしよう・・。
施設長:とにかく落ち着いて下さい!私も今からすぐにそちらへ向かいます!
突然の報告を受けて施設長も混乱している。
一体これからどう対応すれば良いのだろうか・・・。不安な気持ちを抱えて、施設長は全速力で施設へと向かった。
皆様の施設で、仮にこのような身体的虐待事案が発覚したらどのように対応しますか。
「うちの施設では今まで虐待は発生していないから大丈夫だろう。」と安易に考えている介護施設は意外と多いのではないでしょうか。
しかし、「今まで発生していない」ということは、「今後も発生しない」ということを意味しません。発生を予期していない時こそ、職員はパニックに陥り、冷静な判断ができなくなります。
身体的虐待事案の発覚後に、介護施設にとって最も重要なのが初動対応です。
この初動対応を誤ることで、その後の利用者・家族対応や行政対応も難航する可能性が高くなります。
本稿を読んで頂き、初動対応を具体的にイメージすることで、対応する職員がパニック陥ることを防止し、組織全体で冷静かつ同一の対応ができるように、ここで得た知識を共有して下さい。
弁護士法人かなめ代表弁護士。29歳で法律事務所を設立。 現在、大阪、東京、福岡に事務所を構える。顧問サービス『かなめねっと』は35都道府県に普及中。 福祉特化型弁護士。特化している分野は、介護事業所・障害事業所・幼保事業所に対するリーガルサポート、労働トラブル対応、行政対応、経営者支援。 無料で誰も学べる環境を作るためYouTubeチャンネル『弁護士法人かなめ - 公式YouTubeチャンネル』を運営中。https://www.youtube.com/@kaname-law テキストで学びたい人向けに法律メディアサイト『かなめ介護研究会』も運営中。 https://kaname-law.com/care-media/