福祉用具貸与と販売の選択制へ運用ルールの検討開始―ケアマネらの負担増の懸念続出

2023.09.05
2023.09.05
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介護保険給付の対象となる福祉用具について、厚生労働省は「貸与と販売の選択制」を導入した後の具体的な運用について提案しました。

選択制の対象として示されたのは、固定用スロープや歩行器、杖など、比較的"廉価”とされる5品目です。

ただし、そのプロセスについてはかなり煩雑なルールが提案されたため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員の業務負担増大を懸念する声が続出しました。

目次
    「貸与と販売の選択制」の導入と安全・適正利用に向けた今後の対策
      「選択制の導入」で焦点となる3つの論点

      「貸与と販売の選択制」の導入と安全・適正利用に向けた今後の対策

      「介護保険における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」ではこれまで、福祉用具貸与や特定福祉用具販売を巡る課題や今後の対応に向けた話し合いが重ねられてきました。

      注目を集めてきたのが、杖やスロープなどの一部品目について、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」のいずれかを選択できるようにするかどうかについてです。

      この新たなルールは、2024年度介護報酬改定へ反映することが念頭に置かれており、8月28日の会合では、厚労省が明確に「選択性の導入に向けて」意見を交わすことを求めました。

      このほかに、福祉用具の利用安全に関する対策として、

      • 福祉用具に関するヒヤリ・ハットに関する情報をインターネットで公表すること
      • 介護予防福祉用具貸与の開始時とモニタリング実施時における福祉用具専門相談員の支援の実態や貸与期間設定の根拠などの検証を行い、モニタリングの実施時期を福祉用具貸与計画の記載事項として追加することを検討すること
      • 自治体向けに制度の適正利用に関する点検マニュアルを作成すること

        などを進めていくことも示され、おおむね了承されました。

      「選択制の導入」で焦点となる3つの論点

      選択制の導入を検討するにあたり、論点となったのは以下の3つです。

      ①選択制の対象とする種目・種類
      ②選択制の対象者の判断と判断体制・プロセス
      ③貸与又は販売後のモニタリングやメンテナンス等のあり方

      杖や固定用スロープなど貸与期間長い品目では選択制を適用か 

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