厚生労働省は、12月5日の社会保障審議会・介護保険部会で、2024年度の介護保険制度改正に向けた提言の素案を示しました。
2024年度介護保険制度改正の2本柱
同部会では22年3月から、地域包括ケアシステムの構築を実現する目標年だった25年を含む第9期介護保険事業計画期間に際し、制度改正で対応すべき課題について検討を重ねてきました。
これまでの議論を受け、厚労省が5日に示した提言の素案は以下の構成でまとめられています。
- Ⅰ.地域包括ケアシステムの深化・推進
- 1.生活を支える介護サービス等の基盤の整備
- 2.様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現
- 3.保険者機能の強化
- Ⅱ 介護現場の生産性向上の推進、制度の持続可能性の確保
- 1.介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進
- 2.給付と負担(の見直し)
なお、「給付と負担の見直し」に関する項目の内容は、今回の素案では示されていません。
提言がまとまれば、これらの項目に沿った法改正や自治体の計画策定が進められていくことになります。
看多機の拡充やケアプランのAI活用の研究などが新たに明文化
これまでの会合で厚労省が示してきた資料の文言に加え、今回の素案では新たに
- 看護小規模多機能型居宅介護のサービス拡充(どのような地域でも必要なサービスを利用しやすくなるような方策や、更なる普及を図るための方策)
- ケアプランの作成におけるAI活用の実用化に向けて引き続き研究を進めることの必要性。
などの記載が加わっています。
ただし、当日の会合では、各委員から文章の変更や追加などの要望が数多く出されています。今後は、政府の方針や医療制度改正などの検討状況も踏まえながら、年末までに部会としての提言を取りまとめる予定です。