こんにちは、新沼さゆりと申します。私は福島県いわき市に住みながら、札幌市の居宅介護支援事業所に所属して、テレワークでケアマネジャーとして働いています。
また、NPO法人タダカヨで「お金のかからないIT」の活用を普及させるため、無料オンラインPCスクール『タダスク』の講師もしています。
介護業務では、利用者や家族、職員間の円滑な情報共有が欠かせません。そこで今回おすすめするのが、初心者でも簡単に高品質な資料を作成できるオンラインツール「Canva」です。
うまく使えば業務効率化や情報共有の円滑化に大きく貢献します。
そこで、今回は、Canvaの基本的な機能を解説し、実務に役立つアイデアをご紹介します。
記事の中でご紹介する資料のテンプレートも公開しています。ぜひ、みなさまの現場でご活用ください。
(※記事中に使用している画像やスライドは、Canvaの無料プラン・有料プランの素材を使用して作成しています。無料プランの素材はCanvaの利用規約に基づき、編集を加えた上で個人利用や商用利用が可能です。ただし、有料プランの素材については、ライセンスの範囲内で利用してください。素材やテンプレートの再配布は、いずれの場合も禁止されています。それぞれの詳細については、同サービスのヘルプセンターをご確認ください)
Canvaは、パソコンやスマホで使えるグラフィックデザインツールです。様々な場面で使える画像データを手軽に作成でき、情報共有や広報活動の効率化をはかることができます。
(【画像】Canvaのトップページ(2024年12月1日撮影))
Canvaは、ウェブブラウザ やスマホアプリから利用できます。初心者でも直感的な操作が可能なうえ、施設に合わせたフォントや色をカスタマイズすることで独自性も演出できます。
では、実際に介護現場ではどのように活用できるでしょうか。サービス事業所におけるおすすめの使い方を挙げてみました。
実際のデザインも見ながら、ご自身での事業所の活用方法をイメージしてみてください。
まず、利用者や家族への連絡事項などを伝える資料を簡単に作成することが挙げられます。視覚的に整理された資料は、円滑なコミュニケーションを助け、信頼構築にも寄与します。
(【この画像について】Canvaの有料プランで提供されているテンプレートを利用規約に基づき使用して画像を制作しています。Canvaの有料素材は、ライセンスの範囲内で利用できるものであり、無断での複製、配布、販売などは禁止されています。デザイン:新沼さゆり)
Canvaは、職員間の情報共有や研修資料の作成にも役立ちます。作成した画像をPDF形式で共有すれば、認識のズレを防ぎ、業務の標準化を促進できます。
(【この画像について】Canvaの利用規約に基づき無料テンプレートを使用して作成しています。デザイン:新沼さゆり)
SNSやウェブサイトに掲載するためのデザインを簡単に作成し、施設の魅力を発信することもできます。うまく使えば発信力が高まり、施設の認知度を向上できるほか、地域との連携、新規利用者獲得にも貢献します。
ここからは、ケアマネジャーの実務に沿って活用アイデアとともにデザインの作成手順をお伝えします。
実際に現場で使っていただけるデザインテンプレートもダウンロードいただけますので、必要な文言などをカスタマイズしてご利用ください。
施設やサービスの違いを説明する際、施設の特徴を比較表にしたり、要介護度別のフローチャートを作ることで利用者や家族の理解を深め、適切な施設選びを支援することができます。
①Canvaで「プレゼンテーション新規作成」を選びます
(【画像】Canvaのトップページ(2024年12月1日撮影、赤枠は編集部で追加))
「デザイン」メニューで「施設の違い」などと検索し、適切なテンプレートを選びます。
(【画像】Canvaのプレゼンテーションページ(2024年12月1日撮影))
③テンプレートを選び、テキストを追加していきます。
(【画像】(左側):Canvaのプレゼンテーションテンプレート選択画面(2024年12月1日撮影)(右側):Canvaの無料テンプレートを使用して作成。デザイン:新沼さゆり)
多くの利用者や家族にとって、介護保険サービスは複雑で、その利用イメージもつかみにくいものです。 訪問介護やデイサービスのようなサービスの内容を伝えるパンフレットや、福祉用具レンタルの事例ポスターを作れば、コミュニケーションもスムーズに進みます。
(【画像】:Canvaの利用規約に基づき無料テンプレートを使用して作成。デザイン:新沼さゆり)
ここまでご紹介した無料テンプレートを使ったデザインをいくつか用意しました。リンクをクリックし、テンプレートをコピーすることで文言などを簡単にカスタマイズしてお使いいただけます。
リンクをクリックし、テンプレートをコピーすることで文言などを簡単にカスタマイズしてお使いいただけます。
Canvaでは、簡単にプロ仕様のスライドを作成することもできます。 その機能が「CanvaDocs」です。
有料プラン(Canva Proなど)のみで使える機能ですが、文章を打ち込むだけで、デザイン性の高いスライドの作成ができてしまいます。プレゼンモードを使えば、利用者や家族への説明がより分かりやすくなります。
Canva Docsの使い方は、文章作成後に「プレゼンテーションに変換」を選び、テンプレートを適用して調整するという流れになります。
実際のイメージとともに、使い方をお伝えします。
①Canva Docsにタイトルとテキストを記入します。
(【画像】Canvaの利用規約に基づき、CanvaDocsを使用したもの。内容・構成:新沼さゆり)
②「マジック変換」機能で「プレゼンテーションに変換」をクリックします。
(【画像】Canvaの利用規約に基づき、CanvaDocsを使用したもの。赤枠は編集部で追加)
③案内が出たら「開始」をクリックします。
(【画像】CanvaのDocs to Decks利用開始時の画面イメージ(2024年11月27日撮影))
④デザインを確認し、テンプレートを選んで「プレゼンテーションを作成」をクリックします。
(【画像】Canvaの利用規約に基づき使用。デザイン:新沼さゆり)
⑤プレゼンテーション用のスライドが自動で作成されます。
(【画像】Canvaのプレゼンテーション機能のページ(2024年11月27日撮影))>
⑥同様の資料を違ったデザインで作りたい場合はテンプレートを選び直し、テキストを調整します。
(【画像】Canvaのプレゼンテーションのページ(2024年11月27日撮影))
こちらでご紹介したプレゼン資料のデザインについても、テンプレートを用意しました。リンクをクリックして、テンプレートをコピーしていただければ簡単にカスタマイズできます。
いかがでしょうか。有料プランのCanva Proは30日間の無料トライアルも可能です。この機会に、さまざまな高度な機能を体験してみるのも良いかもしれません。※詳細は、公式サイトをご確認ください。
Canvaの素材(写真、イラスト、フォントなど)は、Canvaまたは提供元に著作権が帰属しています。商用利用を考える場合は、素材が商用利用可能かを確認しましょう。有料素材(Canva Pro)を使用する場合、再配布や共有時に注意が必要です。
ぜひ積極活用し、業務効率化と施設運営の改善を目指しましょう。
次回は、「LINE WORKS・Clibor・Google Keepで訪問記録を効率化する方法」を紹介します!
ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」をVisionに掲げ、介護事業所に無料/低コストのITツールの普及活動を行っている非営利団体。所属メンバーの多くは、社会福祉法人や医療法人で勤務しており、本業の合間を縫ってタダカヨの非営利活動に励んでいる。介護従事者のための無料オンラインPCスクール「タダスク」、高齢者施設向け無料オンラインレク「タダレク」などを主催。