【22年3月通知改正対応】介護サービス事業所・施設の指導・監査とは?

2022.10.10
2022.11.29
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介護サービス事業所・施設は、法令等に基づく適正な事業運営やサービス提供、保険給付の適正化のため、自治体による定期的な「指導」や必要に応じた「監査」を受けることになっています。このページでは、「指導」と「監査」について説明します。

目次
    介護サービス事業所・施設の集団指導とは?
      介護サービス事業所・施設の運営指導(旧実地指導)とは?
      介護サービス事業所・施設の監査とは?
      基準やルールに沿った適切な事業運営を

        介護サービス事業所・施設の集団指導とは?

        集団指導では、指定・許可の権限を持つ自治体によって介護サービス事業者等が一定の場所に集められ、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正の内容や過去の指導事例等を講習などの方法によって指導されます。対象となる介護サービス種別や事業者等には、集団指導の日時、場所、出席者、指導内容等があらかじめ文書で通知されます(原則として2カ月前まで)。

        なお、2022年3月31日の指針の改正によって、年1回以上開催すること、オンライン会議システムやホームページの活用による動画の配信などによる実施も可能であることが明確化されました。

        また、当日欠席した介護サービス事業者等には、資料を送付して必要な情報を提供します(オンラインの活用による動画配信などを含みます)。

        *関連記事:vol.1061介護保険施設等の指導監督について(通知)の送付について

        介護サービス事業所・施設の運営指導(旧実地指導)とは?

        運営指導(旧実地指導)とは?

        運営指導とは、自治体が指定・許可の権限を持つ介護サービス事業者等の事業所にて、原則、実地により行う指導です。指定又は許可の有効期間内に少なくとも1回以上行われます。ただし、居住系サービスや地域密着型の居住系サービスまたは施設系サービス、施設系サービスについては3年に1回以上の頻度で行うことが望ましいとされています。

        運営指導には、都道府県や市町村が単独で行う「一般指導」と、厚労省と都道府県や市町村、または都道府県と市町村が合同で行う「合同指導」があります。

        一般指導は、実施頻度や個別事由を勘案し一般指導の場合は原則毎年度、計画的に実施できるよう都道府県知事または市町村長が、介護保険施設等を選定します。合同指導は、一般指導の対象とされた介護施設・事業所等から選定されます。

        いずれの場合も原則として1カ月前までに自治体から運営指導の根拠規定、目的、日時、場所、指導担当者、出席者、準備すべき書類等が文書で通知されます(虐待が疑われる等の理由で、日常のサービス提供状況を確認する場合は指導開始時に示されます)。

        運営指導の目的・内容とは?

        運営指導では、自治体などの担当者が面談方式で、運営指導のマニュアルに基づき、介護サービス事業者等に対して関係書類等の説明を求めます。

        最低基準等の運営体制指導や報酬請求指導については、実地でなくても確認出来る内容は、オンライン等の活用も認められるようになりました。

        後に、指導結果を通知し、必要な場合は改善報告の提出を求めます。

        内容としては、

        (1)介護サービスの実施状況指導(施設・設備や利用者等に対するサービスの提供状況を含む「個別サービスの質」に関する指導)

        (2)最低基準等の運営体制指導

        (3)報酬請求指導(加算等の請求の適性実施に関する指導)

        の3つに関するものが行われます。

        運営指導の過程で、

        (1)人員、施設及び設備並びに運営に関する基準に従っていない状況が著しいと認められる場合またはその疑いがあると認められる場合

        (2) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合またはその疑いがあると認められる場合

        (3) 不正の手段による指定等を受けていると認められる場合またはその疑いがあると認められる場合

        (4) 高齢者虐待等により、利用者等の生命または身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合またはその疑いがあると認められる場合

        は運営指導を中止して監査に切り替えられることがあります。

        介護サービス事業所・施設の監査とは?

        監査とは?

        監査とは、自治体が指定・許可の権限を持つ介護サービス事業者等に対して実施する検査で、書類の提出や出頭を求めたり、事業所への立ち入ったりして行います。自治体は、通報、苦情、相談に基づく情報や、介護給付費適正化システムからの情報、運営指導などによって確認した情報などに基づいて、対象となる介護サービス事業者等を決定し、監査の根拠規定、目的、日時、場所、監査担当者、出席者、必要な書類等を監査開始時に文書で通知します。(運営指導を実施中に監査に移行した場合は、口頭により通告します)しかし、得た情報の内容によっては、事前に通知することなく、監査を行うことがあります。

        監査の目的とは?

        監査は、介護サービスの質の確保や保険給付の適正化を図るために行われるもので、指定基準違反や介護報酬の不正などが疑われる介護サービス事業者等に事実関係の的確な把握や適切な措置を行う形で実施されます。

        監査の結果、必要な場合には「勧告」(文書により期限を定め、基準の遵守等の措置をとることを求めること)、「命令」「指定の取り消し等」「設備の使用制限等」「指定取消」などの対応が講じられます。

        基準やルールに沿った適切な事業運営を

        ここまでに開設した通り、介護サービス事業所・施設は事業を運営をする上で、定期的な指導を受け、必要に応じて監査を受けることになります。遵守すべき指定基準や適正な介護報酬の請求など、法令等をしっかりと確認しておきましょう。

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