「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理が12月の半ば、正式にまとまりました。 これにより、ケアマネジャーのなり手を増やすための方策として、受験資格や実務経験年数の緩和していくことなどを正式に提言しています。
また、現職のケアマネジャーらからの注目度合いの高い、更新研修の在り方についても「案」の時点から大きな変更がありました。
「中間整理」は、現在のケアマネジャーの業務やそれを取り巻く状況を整理し、これからのケアマネジメントに求められる役割やそれを実現するための制度の在り方について集中的な議論を重ねてきた同検討会の提言書です。12月23日には、2027年度に控える介護保険制度改正に向けた話し合いを始めた社会保障審議会・介護保険部会にもその内容が報告されました。
ケアマネジャーの役割だけでなく、将来にわたる人材確保策等も論点となりました。
中間整理の大枠は以下の通りです。
本稿では、ケアマネジャーの業務の在り方のうちの「居宅介護支援事業所における業務の在り方」、人材確保・定着に向けた方策のうちの「ケアマネジャーの新規入職の促進」と、「法定研修の在り方」について紹介し、1のうち、「主任ケアマネジャーの役割や地域包括支援センターにおける業務の在り方」については、別稿で取り上げます。
まず、居宅介護支援事業所における業務の在り方についてです。
今回の検討の目的の一つは、居宅介護支援事業所やそこに所属するケアマネジャーの役割の明確化です。
これは、現場のケアマネジャーが対応せざるを得なくなっている”シャドーワーク”を誰がどのように担うべきか、一定の線引きを図り、ケアマネジャーが本来の役割に集中できる環境を整えようとする試みです。
「中間整理」にはまず、
それぞれに「重点を置くことが適当」と各自の機能が明記されてています。
そのうち、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが現状で実施している業務については
等に分類がなされました。
(【画像】「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」中間整理の別添資料より)
注目が集まっているのは、法定外の業務の在り方についてです。
これらは介護保険利用者層が抱えている課題でもあります。中間整理では、それらがケアマネジャーが抱えるべきものではなく「地域課題として地域全体で対応を協議すべきもの」と位置づけられました。 その協議を進める主体は市町村とされています。一方でこのような法定外の業務は実態把握や検討が引き続き必要な事項であるとされており、現場のシャドーワークの解消にはまだ時間がかかりそうです。
人材確保・定着に向けた方策に関しては、今後の制度改正に向けた検討に向けて具体的な提言がされました。
それは、新たにケアマネジャーになる人を増やすため、受験対象である国家資格の範囲を広げることを検討すべきというものです。
11月時点で示されていた素案では一つの意見として紹介されていた内容ですが、構成員たちの意見を踏まえて正式な「中間整理」ではより強い表現となっています。
(【画像】第6回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会における「中間整理案」より ※赤字が素案からの修正箇所)
また、介護支援専門員の資格を得るための実務研修受講試験を受けるための実務経験年数についても、一定の要件を課したうえで、現行の5年から緩和を検討するよう求めています。
最後に、居宅介護支援事業所のケアマネジャー当事者からの注目度合いが高い法定研修の在り方についてです。
こちらについても、11月時点の”素案”から大きな変更がありました。
それは、「更新研修を含めた法定研修については、継続して実施することを前提としつつ、可能な限り経済的・時間的負担の軽減を図るべく、その方策について検討することが適当か」という記載が、撤廃された点です。
(【画像】第6回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会における「中間整理案」 ※赤字が素案からの修正箇所)
更新研修については、同検討会ではケアマネジメントの質を担保する手段として実施を維持し、その内容を見直すべきとする意見が検討会では優勢でした。しかし、中間整理がまとまるまでに現場からは経済的・時間的な負担を理由に実施そのものの撤廃を求める声が大きくなっていき、政治的な争点にも扱われるまでになりました。
今回の記載の変更にはこうした動きも影響しています。
「中間整理」の内容は、更新研修の撤廃を直接促すものではありませんが、どのように受講者の経済的・時間的負担の軽減策がとられることになるか、引き続き注目を集めそうです。
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