2021年度の介護報酬改定では、口腔機能向上加算について、新たな評価区分が創設されます。ここでは通所介護における口腔機能向上加算について、2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
利用者の口腔機能の向上を目的としており、高齢者に個別で、口腔清掃の指導や、摂食・嘸下機能に関する訓練など、適切な指導が実施している場合を評価する加算です。
また、2021年度の介護報酬改定にて、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用による更なるPDCAサイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める新たな評価区分が新設されます。
①「口腔機能向上加算」(150単位/回)は、「口腔機能向上加算(Ⅰ)」に名称変更
②「口腔機能向上加算(Ⅱ)」160単位/回が新設
③加算Ⅰ・Ⅱの併算定は不可
口腔機能向上加算:150単位/回
①口腔機能が低下している、またはそのおそれのある利用者に対して、口腔機能の向上を目的として、個別的に実施される口腔清掃の指導もしくは実施、摂食・嚥下機能に関する訓練の指導もしくは実施であって、利用者の心身の状態の維持または向上に資すると認められる口腔機能向上サービスを行うこと
②以下の基準に適合しているものとして、都道府県に届出ていること・言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員を1名以上配置している
・利用者の口腔機能を利用開始時に把握し、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種の者が共同して、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成している
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い、言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が口腔機能向上サービスを行っているとともに、利用者の口腔機能を定期的に記録している
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価する
・定員超過利用、人員基準欠如に該当していない
③3月以内の期間に限り、1月に2回を限度として1回につき150単位を所定単位数に加算する。ただし、サービス開始から3月ごとの口腔機能の評価の結果、口腔機能が向上せず、サービス継続が必要な利用者については、引き続き算定可能
口腔機能向上加算(Ⅰ):150単位/回
口腔機能向上加算(Ⅱ):160単位/回(新設)
④加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定は不可
口腔機能向上加算(Ⅰ)の要件等に加えて、以下を満たすこと。
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの実施に当たって、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。