夜勤職員配置加算など見守りセンサー導入で緩和する検討案 賛否両論で議論継続 

2020.12.15
2020.12.15
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12月9日に開かれた第196回社保審・介護給付費分科会にて、厚労省はテクノロジーの活用を踏まえた夜間の人員配置基準に関する見直し案を提示しました。11月26日の第194回でも同論点に対する対策を提案しましたが、今回はこれまでの委員からの指摘を反映し、一部修正を加えた内容となりますので、主な変更点と今後の方向性について整理します。

目次
    見守りセンサー導入100%で、夜勤職員配置加算の新設要件を提案
      介護老人福祉施設の夜間の人員配置基準に緩和案
        日常生活継続支援加算など、テクノロジー活用で要件緩和を検討

          見守りセンサー導入100%で、夜勤職員配置加算の新設要件を提案

          第194回分科会(11月26日開催)にて、厚労省はテクノロジーを活用した夜間の人員配置要件に関する検討案を示しました。見守りセンサーやインカム等のICTを活用することで、夜勤職員の業務効率かや睡眠の質の維持等に一定の効果があることを提示。その結果を踏まえ、見守りセンサーを導入した場合の夜勤職員配置加算について、見守りセンサーの入所者に占める導入割合の要件を「現行の15%から10%」へ緩和するとともに、100%導入時に算定できる新たな要件区分を設けることを提案しました。委員からは賛成の声が聞かれる一方で、緩和に慎重な意見も目立つ結果となりました。

          これを受け、厚労省は本分科会にて、見守りセンサーを100%導入した場合の新たな要件について、修正案を提示しました。具体的な修正内容は以下の通りです。

          ・夜勤職員の最低基準に加えて配置する人員について、ユニット型の場合は0.6人、従来型の場合で人員基準緩和を適用する場合は0.8人(適用しない場合は0.6人)とする

          ・要件として、テクノロジー導入後、少なくとも3か月間以上試行し、必要に応じて取組方法の改善を図りながら、委員会において安全体制やケアの質の確保、職員の負担軽減が確保されていることを確認した上で、都道府県等に届け出る

          ※赤字が前回提案時からの修正点

          ・新たな要件の適用について、介護老人福祉施設と短期入所生活介護だけでなく、介護老人保健施設、短期入所療養介護、介護医療院、認知症型共同生活介護についても拡大する(その場合、介護老人保健施設と短期入所療養介護については、「0.9人配置」及び「0.6人配置」の要件を設けることとし、介護医療院と認知症型共同生活介護については、「0.9人配置」の要件のみを設ける)

          修正案に対して、実証施設が26施設(特養24、老健2)と少ないため、エビデンスレベルが低いという指摘や、「0.6人」という配置を実際の夜勤人数にあてはめて実践することは困難ではという指摘など、現状のデータから判断することは難しいという意見が多く聞かれました。

          介護老人福祉施設の夜間の人員配置基準に緩和案

          介護老人福祉施設(従来型)では、夜間の人員配置基準について、「現行の配置人員数が2人以上に限り、常勤換算方式による配置要件に変更する」ことも提案されました。夜勤職員配置加算の新設要件と同様に、テクノロジー導入後、少なくとも3か月間以上試行し、委員会において安全体制やケアの質の確保、職員の負担軽減を確保した上で、都道府県に届け出る必要があります。

          テクノロジー活用による夜間の人員要件見直しの提案について、日本経済団体連合会の井上隆氏は「前回の提案と比べて緩和の割合が見直され、若干残念なところではある。今後の人手不足や人材確保の困難性を考えると新しいテクノロジーを積極的に活用していくことは不可欠」と意見を述べました。

          その一方で、NPO法人高齢社会をよくする女性の会の石田路子氏は「実際にしっかりと確認がなされるのかに懸念がある。キメ細やかな検証や委員会を立ち上げて追跡をしていくなど、働いている人の生の声をくみ取れるような調査を含めて、検証していくことをお願いしたい」と要望しました。このほか、複数の委員から慎重論があがり、本分科会でも賛否が分かれる結果となりました。

          日常生活継続支援加算など、テクノロジー活用で要件緩和を検討

          複数のテクノロジー機器を活用し、利用者に対するケアや人員体制の見直しをPDCAサイクルによって継続して行う場合に、介護老人福祉施設の「日常生活継続支援加算」、特定施設入居者生活介護の「入居継続支援加算」の算定要件である介護福祉士の配置要件を、「6:1」から「7:1」へ緩和することも提案されています。

          これらのテクノロジー活用に伴う人員配置要件に関しては賛否両論となり、継続して議論が実施されると思われます。

          引用:第196回社保審・介護給付費分科会「介護人材の確保・介護現場の革新②」より

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