3月17日に社保審・介護保険部会による第8回文書負担軽減に関する専門委員会が開かれ、介護現場の文書負担の軽減に向けた議論が行われました。文書量軽減に向けた行政への提出書類のウェブ入力・電子申請について、具体案やスケジュールが明示されましたので、整理していきます。
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本専門委員会では、文書負担の軽減に向けて「簡素化・標準化・ICTの活用」の3つの視点で検討し、取り組みが進んでいます。「ICT等の活用」の視点においては、行政への提出書類のウェブ入力・電子申請が検討されています。
ウェブ入力・電子申請のためのシステムとして、各都道府県の「指定事業者管理システム」を改修する案や、「指定業者管理システム」を国に集約して新システムを構築する案、「介護サービス情報公表システム」の機能を拡張する案の3案が検討され、厚労省は本委員会で、「介護サービス情報公表システム」を改修する案が最適であるとの結論を明示しました。
「介護サービス情報公表システム」を活用した、指定申請・変更届等の入力項目の標準化等の実現について、厚労省は下記のイメージ図とともに、具体的な改修案を提示しています。
①事業者が基本的な申請情報を入力
②必要申請書類等は適宜ダウンロードして活用
③平面図や資格証等の必要書類を添付したうえで自治体へ申請
④申請情報はクラウド上に保存
⑤申請先の自治体に事業所からの指定申請の通知が届く
⑥確認した自治体がクラウド上の申請情報をダウンロードして活用
現状の介護サービス情報公表システムの機能を活用し、上記の手順にて指定申請等を実施する流れが想定されています。
ICTの活用による文書負担の軽減に向け、厚労省は2021年度中に上記システムの改修を実施し、2022年度に運用が開始できるよう対応していく予定で、スピード感のある対応に期待が高まります。
引用:第8回社保審・介護保険部会「介護分野の文書に係る負担軽減について」より
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。