こんにちは、谷本千尋と申します。札幌市のテレワーク型居宅介護支援事業所にて主任ケアマネジャーとして勤務しております。また、NPO法人タダカヨで「お金のかからないIT」を普及させる活動に取り組み、無料オンラインPCスクール『タダスク』にて講師活動にも従事しております。
記録主義のこの業界においては、事務作業が負担、面接時間を圧迫したり、長時間労働になりがちになるなど、課題を抱えているケアマネジャーが多いのではないかと日々感じます。
そこで今回は、訪問中の業務効率化をテーマとして、3つのツールを紹介します。利用者と関わる時間を増やす手段としてぜひご活用ください。
初めにおすすめするLINE WORKSは、業務向けのコミュニケーションツールです。日常的な連絡ツールとして浸透しているLINEに似た操作性を持ちながらも、チャットや音声機能ツールだけでなく、スケジュール管理やタスク共有等の業務向けにに特化した機能が充実しています。また、業務用のセキュリティ対策が施されており、個人情報の取り扱いが求められるケアマネジャー業務に適しています。
次におすすめするのは、クリップボード拡張ツールCliborです。コピー&ペーストをより柔軟に活用出来るよう、履歴管理やテンプレートを保存する機能を備えています。文章やメモを簡単に使い回せるため、日常的な記録作業が効率化できます。
3つ目がGoogleが提供するメモアプリGoogle Keepです。シンプルで直感的な操作性を持ちながら、テキストメモ、チェックリスト、画像、音声メモなど、さまざまな形式の情報を一元管理できます。クラウド上で同期されるため、訪問先でもスマートフォンやタブレットからアクセス可能です。
LINE WORKSは、ケアマネジャーと関係事業所、利用者の家族との迅速な連絡手段として活躍します。
(【画像】LINE WORKSトーク画面イメージ)
Cliborは訪問後の記録作業を格段にスムーズにします。
専用ソフトをパソコンにダウンロードして設定をすると、Windowsの場合、画面の右下に下記画像のようなアイコンが表示され、起動可能となります(最初は左の山型矢印^の中に格納されているので、このように外に出すと便利です)。
(【画像】Clibor動作時画面)
以下の画像は、Ctrlキーを2回クリックすると、クリップボード画面が起動する設定のバージョンのものです。
以下の画像は、shiftキーを2回クリックすると、定型文画面が起動する設定のバージョンです。
入力したい項目にカーソルを当てると文章がプレビュー表示されるので、クリックすると一発で入力完了です。
訪問状況や各種連携の記録では、Google Keepが非常に便利です。
(【画像】Google Keepを使って作成したチェックリスト)
(【画像】Google KeepにiPhoneで音声入力を使って残したメモ。マイクのアイコンを使って話します。)
(【画像】Google Keepのテキスト抽出機能を使って書類をテキストデータ化しているところ)
ここまで紹介した3つのツールを組み合わせることで、訪問業務の効率化が一層進みます。
具体例:
いかがでしたでしょうか。ケアマネジャー業務における訪問記録は、単なる事務作業ではなく、利用者へ適切なケアを提供する上で欠かせないプロセスです。今回紹介した3つのツールのように、記録に適したICTを使えば効率化だけでなく、記録漏れや誤入力を防いで記録の質も向上できますまた、連絡のスピードが向上すれば、訪問先での対応に集中することができます。
業務効率化ツールは、今回紹介したもの以外にもさまざまなものが提供されています。活用できそうなものから取り入れてみて、訪問業務をよりスムーズかつ効果的に進めましょう。
ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」をVisionに掲げ、介護事業所に無料/低コストのITツールの普及活動を行っている非営利団体。所属メンバーの多くは、社会福祉法人や医療法人で勤務しており、本業の合間を縫ってタダカヨの非営利活動に励んでいる。介護従事者のための無料オンラインPCスクール「タダスク」、高齢者施設向け無料オンラインレク「タダレク」などを主催。