訪問先での記録を効率化するアプリの活用術by介護現場に役立つITツールタダカヨ⑤

2025.01.14
2025.01.14
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こんにちは、谷本千尋と申します。札幌市のテレワーク型居宅介護支援事業所にて主任ケアマネジャーとして勤務しております。
また、NPO法人タダカヨで「お金のかからないIT」を普及させる活動に取り組み、無料オンラインPCスクール『タダスク』にて講師活動にも従事しております。

記録主義のこの業界においては、事務作業が負担、面接時間を圧迫したり、長時間労働になりがちになるなど、課題を抱えているケアマネジャーが多いのではないかと日々感じます。

そこで今回は、訪問中の業務効率化をテーマとして、3つのツールを紹介します。利用者と関わる時間を増やす手段としてぜひご活用ください。

目次
    LINE WORKSの概要とケアマネジャーへのおすすめポイント
      Clibor(クリボー)の概要とケアマネジャーへのおすすめポイント
        Google Keepの概要とケアマネジャーへのおすすめポイント
          3つのツールの具体的な活用術
          ツールを組み合わせた効率化のアイデア

          LINE WORKSの概要とケアマネジャーへのおすすめポイント

          初めにおすすめするLINE WORKSは、業務向けのコミュニケーションツールです。日常的な連絡ツールとして浸透しているLINEに似た操作性を持ちながらも、チャットや音声機能ツールだけでなく、スケジュール管理やタスク共有等の業務向けにに特化した機能が充実しています。また、業務用のセキュリティ対策が施されており、個人情報の取り扱いが求められるケアマネジャー業務に適しています。

          Clibor(クリボー)の概要とケアマネジャーへのおすすめポイント

          次におすすめするのは、クリップボード拡張ツールCliborです。コピー&ペーストをより柔軟に活用出来るよう、履歴管理やテンプレートを保存する機能を備えています。文章やメモを簡単に使い回せるため、日常的な記録作業が効率化できます。

          Google Keepの概要とケアマネジャーへのおすすめポイント

          3つ目がGoogleが提供するメモアプリGoogle Keepです。シンプルで直感的な操作性を持ちながら、テキストメモ、チェックリスト、画像、音声メモなど、さまざまな形式の情報を一元管理できます。クラウド上で同期されるため、訪問先でもスマートフォンやタブレットからアクセス可能です。

          3つのツールの具体的な活用術

          LINE WORKSで情報共有をスムーズに

          LINE WORKSは、ケアマネジャーと関係事業所、利用者の家族との迅速な連絡手段として活躍します。

          活用例:
          • 訪問前後の連絡調整: 利用者や家族と訪問時間や重要事項を事前に共有できます。必要箇所を記録対象にコピー&ペーストをすると、簡単に転記出来ます。

          (【画像】LINE WORKSトーク画面イメージ)

          • 写真や動画、文書の送付: 利用者のリアルな情報や重要書類を安全に送信できます。
          • アンケートの実施: チームメンバーにアンケートを実施する事で、担当者会議の日程調整や意見照会もスムーズになり、必要箇所を記録対象にコピー&ペーストをすると、簡単に転記出来ます。

          Cliborで記録入力を効率化

          Cliborは訪問後の記録作業を格段にスムーズにします。

          専用ソフトをパソコンにダウンロードして設定をすると、Windowsの場合、画面の右下に下記画像のようなアイコンが表示され、起動可能となります(最初は左の山型矢印^の中に格納されているので、このように外に出すと便利です)。

          (【画像】Clibor動作時画面)

          以下の画像は、Ctrlキーを2回クリックすると、クリップボード画面が起動する設定のバージョンのものです。

          以下の画像は、shiftキーを2回クリックすると、定型文画面が起動する設定のバージョンです。

          入力したい項目にカーソルを当てると文章がプレビュー表示されるので、クリックすると一発で入力完了です。

          活用例:
          • テンプレート登録: 支援経過記録に記載が必要な文言を項目や用途毎にテンプレートを登録。コピー&ペーストで即時入力可能です。
          • 履歴機能の活用: 過去にコピーした内容を簡単に再利用し、記録作業を効率化できます。

          Google Keepでメモを簡単に管理

          訪問状況や各種連携の記録では、Google Keepが非常に便利です。

          活用例:
          • チェックリストの作成: 訪問先で確認するべき事項を事前にリスト化してみましょう。漏れなく対応しやすくなります。

          (【画像】Google Keepを使って作成したチェックリスト)

          • 音声入力機能: 短時間でメモを作成したい場合は、訪問後に音声入力機能を活用して記録するのがおすすめです。多少の誤字はありますが、iPhoneやandroidの音声入力の基本ルールに沿って話し掛ければ、短い時間で一時記録が取れます。

          (【画像】Google KeepにiPhoneで音声入力を使って残したメモ。マイクのアイコンを使って話します。)

          • 画像のテキスト抽出:関係事業所や主治医から収受した書類の内容を簡単にテキスト化できます。これを微修正して記録を写したいひな形などにコピー&ペーストをすると、簡単に長文の記録も作成する事が出来ます。

          (【画像】Google Keepのテキスト抽出機能を使って書類をテキストデータ化しているところ)

          ツールを組み合わせた効率化のアイデア

          ここまで紹介した3つのツールを組み合わせることで、訪問業務の効率化が一層進みます。

          具体例:

          1. LINE WORKSで利用者の情報をリアルタイムで確認・共有する。
          2. Google Keepに訪問現場での気付きをメモし、後からLINE WORKSでチームに共有する。
          3. CliborのテンプレートやGoogle Keepの音声入力メモ、画像のテキスト抽出で記録作業を迅速化する。

          ICTツールをうまく使って訪問記録のレベルアップを

          いかがでしたでしょうか。ケアマネジャー業務における訪問記録は、単なる事務作業ではなく、利用者へ適切なケアを提供する上で欠かせないプロセスです。今回紹介した3つのツールのように、記録に適したICTを使えば効率化だけでなく、記録漏れや誤入力を防いで記録の質も向上できますまた、連絡のスピードが向上すれば、訪問先での対応に集中することができます。

          業務効率化ツールは、今回紹介したもの以外にもさまざまなものが提供されています。活用できそうなものから取り入れてみて、訪問業務をよりスムーズかつ効果的に進めましょう。

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