2021年度の介護報酬改定では、社会参加支援加算について、名称の変更とともに一部要件の見直しがあります(対象サービス:訪問リハ、通所リハ)。当該加算の新名称は「移行支援加算」です。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
リハビリテーションによって日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL:日常生活動作以外に買い物、調理、お金の管理、交通手段の活用など社会生活を送る上で欠かすことのできない手段)が向上することにより、家庭内での家事や社会への参加につながり、他のサービス(指定通所介護、認知症対応型通所介護、一般介護予防事業など)に移行できた場合に算定できる加算です。
対象サービスは、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション。
2021年度の介護報酬改定にて、加算の趣旨や内容を踏まえて、加算の名称が「移行支援加算」に変更されるとともに、利用者に対する適時・適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から、一部算定要件が追加されます。
①加算の名称が「社会参加支援加算」から「移行支援加算」へ変更
②訪問リハ・通所リハともに、単位数に変更なし
③以下の内容が算定要件に追加・他のサービス事業所へ移行するにあたり、移行先の事業所へ当該利用者のリハビリテーション計画書を提供すること
【訪問リハ】社会参加支援加算:17単位/日
【通所リハ】社会参加支援加算:12単位/日
・評価対象期間においてリハビリテーション終了者のうち、ADLやIADLの向上により指定通所介護等を実施した者の割合が、5%を超えていること
・訪問リハビリテーションの利用の回転率が、「12月÷平均利用延月数≧25%」であること
・評価対象期間中に訪問リハビリテーションを終了した日から14日~44日以内に、訪問リハビリテーション事業所の理学療法士または作業療法士または言語聴覚士が、終了者の居宅を訪問するかケアマネージャーからの情報提供により、終了者の指定通所介護等の実施が3か月以上継続する見込みであることを確認し、記録に残すこと
・通所リハビリテーションの利用の回転率が、「12月÷平均利用延月数≧25%」であること
・評価対象期間中に通所リハビリテーションを終了した日から14日~44日以内に、通所リハビリテーション事業所の従事者が、終了者の居宅を訪問するかケアマネージャーからの情報提供により、終了者の指定通所介護等の実施が3か月以上継続する見込みであることを確認し、記録に残すこと
【訪問リハ】移行支援加算:17単位/日(単位数変更なし)
【通所リハ】移行支援加算:12単位/日(単位数変更なし)
・評価対象期間中にリハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、リハビリテーション終了者に対して、電話等により、指定通所介護等の実施状況を確認し、記録すること
・リハビリテーション終了者が指定通所介護等の事業所へ移行するにあたり、当該利用者のリハビリテーション計画書を移行先の事業所へ提供すること
・評価対象期間においてリハビリテーション終了者のうち、ADLやIADLの向上により指定通所介護等を実施した者の割合が、3%を超えていること
・通所リハビリテーションの利用の回転率が、「12月÷平均利用延月数≧27%」であること
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。