2022年から新たに実施される介護職や看護職らの賃金引き上げについて、その枠組みが見えてきました。同年2月から9月までの介護職の賃上げ月額9,000円相当分の介護事業所への手当は、補助金で対応される見通しです。ただし、今回の政策でも、居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーや、訪問看護事業所などに所属する職員は処遇改善の対象から外れる方向で調整が進んでいます。
12月8日に開かれた同分科会での厚生労働省による説明を中心に、直近の動きを整理します。
11月19日に閣議決定した政府の経済対策には、介護・障害福祉職や保育士らの賃上げは現行収入(厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると介護職の場合は月収29.3万円)の3%程度に当たる月額9,000円、看護現場で働く人については、現行収入1%程度に当たる月額4,000円の引き上げが行われることが盛り込まれています(看護は段階的に3%程度引き上げていく)。
この方針を受け、2021年度の補正予算では、これらの職種の賃上げに 1,655億円が投じられることになっています。※11月26日に閣議決定。臨時国会で審議の上成立)。
【画像】令和3年度厚生労働省補正予算案の概要より抜粋
介護現場で働く人の賃上げには、このうちおよそ1,000億円が当てられる予定です。
対象となるサービス・職種や手続きについては、後日開かれた社保審・介護給付費分科会で、現在調整が進んでいる内容として説明がありました(後述)。
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