2021年度の介護報酬改定では、通所リハの生活行為向上リハビリテーション実施加算について、評価区分の統合と単位数の見直しが実施されます。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
通所リハ、介護予防通所リハにおいて、加齢や廃用症候群などで、生活機能のうち活動する能力が低下した利用者に対して、活動機能の向上ができるように目標を立て、実施計画に沿ったリハビリテーションを行うことで生活活動能力が向上した場合を評価する加算です。
2021年度の介護報酬改定では、適時適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から、評価区分を統合したうえでの単位数の見直しが行われます。
①利用開始月から「3月以内」「3月超、6月以内」の区分が統合され「6月以内」のみに変更
②「生活行為向上リハビリテーション減算」は廃止生活行為向上リハビリテーション減算とは、当該加算によるリハビリテーションを終えた後に継続する場合、当該翌月から6月以内の間、所定単位数を15%減算するもの。
③以下の算定要件が新たに追加指定通所リハビリテーション事業所の医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、当該利用者の居宅を訪問し生活行為に関する評価をおおむね1月に1回以上実施すること。
<通所リハ>・利用開始月から3月以内:2,000単位/月・利用開始月から3月を超えて6月以内:1,000単位/月※6月以降もリハビリテーションを継続した場合、加算を取得した終了月の翌月から6月に限り、所定単位数を15%減算
<介護予防通所リハ>・利用開始月から3月以内:900単位/月・利用開始月から3月を超えて6月以内:450単位/月※6月以降もリハビリテーションを継続した場合、加算を取得した終了月の翌月から6月に限り、所定単位数を15%減算
・生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識や経験を有する作業療法士、生活行為の内容の充実を図るための研修を修了した理学療法士、言語聴覚士が配置されていること
・生活行為の内容の充実を図るための目標や、目標を踏まえたリハビリテーションの実施頻度、実施場所等が記載されたリハビリテーション実施計画を定めて、リハビリテーションを提供すること
・当該計画で定めたリハビリテーションの実施期間中およびリハビリテーションの提供終了日前1月以内に、リハビリテーション会議を開催し、目標の達成状況を報告すること
・通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算Ⅱ~Ⅳまでのいずれかを算定していること(介護予防通所リハの場合は、介護予防通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算を算定していること)
<通所リハ>・利用開始月から6月以内:1,250単位/月※減算は廃止
<介護予防通所リハ>・利用開始月から6月以内:562単位/月※減算は廃止
・リハビリテーションマネジメント加算A・Bのいずれかを算定していること(※通所リハビリテーションのみ)
・指定通所リハビリテーション事業所(指定介護予防通所リハビリテーション事業所)の医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、当該利用者の居宅を訪問し、生活行為に関する評価をおおむね1月に1回以上実施すること
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。