居宅介護支援をはじめ訪問介護などを展開するケアプラス河野氏の経営哲学

2021.07.15
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【今回インタビューした経営者プロフィール】

河野 淑孝 こうの・よしたか

株式会社ケアプラス 代表取締役

スタッフが長く働ける職場環境を目指し在宅介護事業を開始

現在の事業内容を教えてください

熊本に介護保険内の事業として、居宅介護支援と訪問介護、福祉用具の3事業を展開しています。

また、介護保険外の事業では介護に特化した人材紹介・派遣、初任者研修など介護資格のスクール事業、企業主導型保育園を展開しています。

介護事業を経営しようと思ったきっかけは何ですか?

私は医療法人で10年ほど役員として経営に関わっていましたが、病院の新築や電子カルテの導入などが一段落したタイミングで、ふと自分の人生について考えるようになりました。

自分と向き合った末に残ったのは、「社会の役に立ちたい」「自分の力を試したい」「いろんな場所に行きたい」という思いでした。

結果的に、これからますます高まるであろう在宅介護において質の良いサービスを提供し、スタッフが長く楽しく働ける会社を作ることを決意しました。

これまで介護事業の経営・運営において抱えていた課題は何ですか?

やはり訪問介護のヘルパーが足りないという課題です。

地域の訪問介護に対するニーズはかなり高く、開設から半年くらいでヘルパーの空きがないために新規依頼をお断りするケースが増えてきました。地域の役に立ちたいと起業したのに、いい形で応えられていない自分たちの不甲斐なさに落胆し、絶対に何とかしようと話し合いました。この悔しい思いが私たちを突き動かす原動力になっていると思います。

その頃、居宅介護でもスタッフの知り合いで働きたいといってくれた方がいましたが、保育園の空きがないために働くことができないということがありました。ようやく保育園が空き、入社してもらえたのは結局一年後のことでした。

人不足の課題に対し、人材紹介や教育サービス・保育園を立ち上げ

抱えていた課題についてはどのような取り組みをされていますか?

ヘルパーが集まらない課題に対しては、自分たち自身で集めてみようと人材部門を立ち上げ、保育園の空きがない課題についても、自社の保育園があればいいということで保育園を立ち上げました。

その後、居宅のケアマネージャーも訪問介護のヘルパーも増えてきましたが、その多くは他の職場を辞めてケアプラスに来てくれた人でした。自分たちの会社のスタッフが増えるのはいいことですが、介護業界の中で奪い合いをしていても地域の介護人材不足は解消されない、という次の課題に直面しました。

人材不足解消のためにまず考えたのは、介護に携わる人を増やすことでした。社会的にも外国人材の受け入れというテーマが大きな関心を集めており、私自身も人材部門のスタッフを連れて数カ国を視察しましたが、結果的にケアプラスとしては日本人の介護人材の育成・教育に注力することにしました。外国人材の受入れ自体を否定しているのではなく、ベトナムなど現地送り出し機関との連携で不安があったことと、熊本という地域の介護の現状を考えたときに外国からの人材を責任をもって受け入れられるという確信が持てなかったからです。

そこで国内で介護人材を育成するために、入門的な資格である介護職員初任者研修を開講することにしました。受講料を安くすれば集まるだろうと安易な気持ちでスタートしましたが、期待していたほど受講生が集まらなかったため、半年くらいたったところで受講料を無料にしようと決めました。

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