賞与の支払い時期が近づいて来ましたが、経営者の皆様は、支払資金残高や資金計画の確認はお済でしょうか? 公益財団法人介護労働安定センターの「令和2年度介護労働実態調査」によると、賞与の制度がある法人は全体の『76.1%』(「制度として賞与の仕組みがある:61.3%」及び「経営状況によって支払われることもある:14.8%」の合計)となっています。 このように多くの介護事業所で、経営状況や従業員に対する評価に応じて支給する『賞与(ボーナス)』の制度が導入されています。 この賞与(ボーナス)という制度を介護事業の経営という視点からみると、賞与支給月には経費の精算に係る支出が増えることになりますので、支払資金の確保、支払資金残高の把握といった資金計画の管理を行うことが必要になります。 この記事では、介護事業における年間資金計画と賞与支払月の資金計画の例をご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事における『資金計画書』は、支払資金(キャッシュ)の残高を把握するために作成する様式としてご紹介します。
【介護事業の収入のキャッシュ・フロー】
【介護事業の費用のキャッシュ・フロー】
このように、収入として計上した事業未収金等が実際に入金されると支払資金残高が増え、経費として計上した事業未払金等を実際に支払うと支払資金残高が減ることになります。
それでは、訪問介護と居宅介護支援について、年間の資金計画書の例を見ていきましょう。
こちらの例では、夏季と冬季の賞与の支払いがある月は、単月の資金収支がマイナスになり、また、賞与支給月における年間の資金収支がマイナス(12月はプラスマイナス0)になってしまっています。
こちらの例では、夏季と冬季の賞与の支払いがある月は、単月の資金収支がマイナスになるだけでなく、その後の月まで資金収支のマイナスが影響していることになります。 この2つの例では、『両方とも年間の収支は黒字となっている』にもかかわらず、年度内に支払資金が不足する可能性があるタイミングが存在していることがおわかりいただけると思います。
さらに詳細に支払資金を見ていくと、1ヵ月の間でも入金や支払いのタイミングによっては支払資金が不足するケースもあります。 訪問介護事業所(及び障害福祉サービスの居宅介護も提供している事業所)で、賞与支給日を6月10日にしている法人を例に、賞与支給月の支払資金のスケジュールについて見ていきましょう。
こちらの例では、賞与日(6月10日)には、主たる収入である介護報酬や、障害福祉サービスの「居宅介護」に係る報酬が入金されていないため、6月10日時点での支払資金残高にも注意する必要があります。
介護事業を運営する中で、「設備・備品の故障等により、突発的な支払いが必要になってしまうこと」や「請求に不備があり、介護報酬が返戻になってしまうこと」は、どの事業所でも起こりえることです。 そこに賞与の支払いなども加わると、「1ヵ月~半年ほどの期間だけ支払資金が足りなる。」ということもあるでしょう。 このように、資金繰りに困る場合や資金調達が必要になった場合には、以下のような対応が考えられます。
この中でも特に『ファクタリングサービス』は、審査が早く『すぐに資金調達をしたい』、『短期借入だと金融機関の金利が高い』といった理由から多くの介護事業者様が利用しているので、おススメです。
事業所の資金繰りに関して不安やお困りのことがありましたら、カイポケ会員以外も利用できる 「カイポケファクタリングサービス」 までお気軽にご相談ください。
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