LIFEの利用状況、サービス種別間で格差―登録率は老健がトップ

2021.12.16
2021.12.17
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福祉医療機構が11月半ばに公表した2021年度介護報酬改定に関するアンケート結果からは、各サービス事業所のLIFEの利用状況が分かります。4月当初はアクセス集中の影響などを受け、慌ただしい幕開けとなりましたが、各サービス事業所とも関心は高く、LIFEの活用や関連加算の取得に対して意欲的であることがうかがえます。

今回公表されたアンケート調査結果について、LIFEの利用状況、科学的介護推進体制加算の算定状況、感染症対策および業務継続への取り組みに関する調査結果を整理してご紹介します。

目次
    LIFEの利用状況や科学的介護推進体制加算の算定状況
    感染症対策・業務継続の取り組み状況

    LIFEの利用状況や科学的介護推進体制加算の算定状況

    2021年4月より稼働を開始したLIFEは、各施設・事業所でのケア内容や計画、利用者の状況等をインターネット上の専用ページに登録すると、厚労省のデータベース上で分析された結果がフィードバックされる仕組みとなっています。

    LIFEの利用状況

    アンケートが実施された2021年7月29日~同8月25日時点で、すでに「データ登録まで終えている」と回答した割合は、割合の高い順に、老健で52.4%、通所リハで44.3%、特養で38.8%。「利用申請予定」まで含むと、特養で88.2%、通所介護で78.1%に達し、利用に意欲的である傾向がうかがえます。また、通所介護(デイサービス)の登録状況は30.0%でした。

    【画像】WAM、2021 年度介護報酬改定に関するアンケート調査(前編)より抜粋(以下・同様)

    LIFE、約1割から3割は「利用予定なし」

    意欲的なサービス事業所の割合が高い一方で、通所介護で21.9%、グループホームで31.4%など、各サービスで約1割から3割が「利用申請する予定はない」と回答しています。その理由として、「システムへのデータ登録が負担」「システム全体への理解が負担」との回答が上位を占めました。

    慢性的な人手不足が深刻な課題として残る中、登録作業や新たな仕組みへの理解に対する負担感をどう減らしていくかが現状での課題といえます。

    科学的介護推進体制加算の算定状況

    今改定で新設された科学的介護推進体制加算の算定状況について、施設サービスでは割合の高い順に、老健で56.3%、介護医療院で44.8%、特養で40.9%。居宅サービスでは通所リハで45.3%、通所介護で31.5%となりました。

    算定開始月に関する調査結果では、ほぼすべてのサービスで「4月」との回答が約4割から5割と、もっとも高い結果に。前出の通り、データ提出の猶予期間が設けられたなどの背景はあるものの、算定に必要な複数データの提出に向け、介護記録ソフトの対応など、多くの施設・事業所が年度始めからの算定に向けた準備を進めていたことがうかがえます。

    また、介護記録ソフトの対応を待っている事業所もあるとみられており、LIFEの利用や関連加算の取得に向けた動きは、今後さらに増えていくことが予想されます。

    感染症対策・業務継続の取り組み状況

    今改定により、感染症対策や業務継続に向けた取組み等は3年の経過措置を設けたうえで、すべてのサービスで義務化されました。いずれの取り組みに関しても、「訓練の実施」への対応がネックとなっています。それぞれの取り組み状況を整理します。

    感染症対策の対応状況

    施設系サービスではこれまでの要件であった「感染対策委員会の設置」「指針の整備および研修の実施」に加え、新たに「訓練の実施」が求められることとなりました。今まで対象でなかった居宅サービス等においても、上記すべての取り組みが必要となります。

    施設サービスにおける「訓練の実施」への対応状況について、約3割はすでに実施済み。本年度中の実施見込みを含めれば5割以上となる調査結果が得られています。

    居宅サービスについては、「委員会の開催」「指針の整備および研修の実施」は約7割から9割が対応している一方、「訓練の実施」への対応は約5割に留まっています。

    業務継続の取り組み状況

    業務継続に向けた取り組みにおいては今改定により、「事業継続計画(BCP)等の策定」「研修の実施」「訓練の実施」が求められることとなりました。すべてのサービス種別に共通した傾向として、上記のいずれの取り組みへの対応状況も、5割未満に留まっています。

    中でも「訓練の実施」への対応割合がもっとも低水準となり、ほとんどのサービスが2割から3割程度との結果となりました。

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