2024年度末までに介護事業者で対応が必要な「経営情報の報告」とは?【ニュース解説】

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今年度からほとんど全ての介護サービス事業者は、自らの収益や費用など4項目の「経営情報」を都道府県へ報告する必要があります。期限は2025年3月末に定められていますが、報告に使うシステムはまだ準備段階で冬頃に本格的な稼働が始まる見込みです。

このページでは介護事業者による経営情報の報告について、現時点で明らかになっていることをまとめています。

※12月23日追記:システム(「介護サービス事業者経営情報データベースシステム」に決定)稼働開始日時が25年1月6日13時に決まりました介護サービス事業者経営情報データベースシステムが稼働開始―1月6日から2024年度報告分の情報が入力可能に

介護サービス事業者による経営情報の報告制度の概要

2024年4月施行の改正介護保険法によって、介護サービス事業者には経営情報を都道府県に報告する義務が課せられました。

*関連通知「介護保険法第115条の44の2の規定に基づく介護サービス事業者経営情報の調査および分析等に関する制度に係る実施上の留意事項について」(24年8月2日発出)

厚生労働省では全国から集めた介護サービス事業者の経営情報をデータベース化して管理し、分析結果を国民にわかりやすい形で公表することになっています。

(【画像】厚生労働省による自治体向け説明資料より)

介護事業者は25年3月末までに直近の届出対象年度の「経営情報」を都道府県に報告しなければなりません(25年度以降は毎年、各事業者の会計年度終了後3カ月以内に報告する必要があります)。

(【画像】介護事業者による「経営情報の報告」範囲と期限のイメージ(厚労省8月2日付け通知「介護保険法第115条の44 の2の規定に基づく介護サービス事業者経営情報の調査及び分析等に関する制度に係る実施上の留意事項について」より))

都道府県への報告が必要な「経営情報」とは

介護サービス事業者が報告しなければならないのは、介護保険事業に関する以下の4項目です。

  1. 事業所・施設の名称、所在地その他の基本情報(法人・事業所番号や会計基準などを含む)
  2. 事業所・施設の介護事業収益及び費用の内容(費用の内訳のうち給与費、業務委託費、水道光熱費等、報告必須の項目あり)
  3. 事業所・施設の職員の職種別人員数その他の人員に関する事項
  4. その他必要な事項

また、任意項目として、「職種別の給与」等や医療・障害福祉サービス等を実施している場合はその基本情報も設けられています。

経営情報の報告方法

報告は原則、事業所や施設単位で行いますが、事業所・施設ごとの会計区分を行っていない場合などにおいては、法人単位での報告も認められます。

介護サービス事業者から都道府県知事へ報告するための手段としては、報告用のシステム(「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」)があり、このシステムが24年秋頃目途の試行を経て、同年冬頃に運用開始される予定です。

都道府県への報告が必要な事業者

報告は、以下の介護サービス事業者が報告対象です。

① 訪問介護
② 訪問入浴介護
③ 訪問看護
④ 訪問リハビリテーション
⑤ 通所介護、通所リハビリテーション
⑥ 短期入所生活介護
⑦ 短期入所療養介護(則第14条第4号に掲げる診療所に係るものを除く)
⑧ 特定施設入居者生活介護(養護老人ホームに係るものを除く)
⑨ 福祉用具貸与
⑩ 特定福祉用具販売
⑪ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
⑫ 夜間対応型訪問介護
⑬ 地域密着型通所介護
⑭ 認知症対応型通所介護
⑮ 小規模多機能型居宅介護
⑯ 認知症対応型共同生活介護
⑰ 地域密着型特定施設入居者生活介護(養護老人ホームに係るものを除く)
⑱ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
⑲ 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
⑳ 居宅介護支援
㉑ 介護福祉施設サービス
㉒ 介護保健施設サービス
㉓ 介護医療院サービス
㉔ 介護予防訪問入浴介護
㉕ 介護予防訪問看護
㉖ 介護予防訪問リハビリテーション
㉗ 介護予防通所リハビリテーション
㉘ 介護予防短期入所生活介護
㉙ 介護予防短期入所療養介護(則第 22 条の14 第4号に掲げる診療所に係るものを除く)
㉚ 介護予防特定施設入居者生活介護(養護老人ホームに係るものを除く)
㉛ 介護予防福祉用具貸与
㉜ 特定介護予防福祉用具販売
㉝ 介護予防認知症対応型通所介護
㉞ 介護予防小規模多機能型居宅介護
㉟ 介護予防認知症対応型共同生活介護

ただし、

  1. 会計年度中に提供した介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下の事業者
  2. 災害などによって報告が困難であるという正当な理由がある事業者

のいずれかに当てはまる場合は対象外です。

※1,2に当てはまる事業所・施設とそれ以外の事業所・施設を運営している場合は、対象外でない事業所・施設の報告が必要。

また、みなし指定を受けた医療機関等のうち、指定を受けて1年未満の(介護予防)訪問看護、(介護予防)訪問リハビリテーション、(介護予防)通所リハビリテーション、(介護予防)短期入所療養介護事業所も報告義務は免除されています。

Q&Aによるとみなし指定事業者である医療機関も原則報告対象に

この経営情報の報告について、厚労省は8月20日にQ&Aの第1弾、10月31日に第2弾を発出しています。
vol.1305「介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A」の発出について(事務連絡、24年8月20日発出)vol.1325 Q&A(vol.2)の発出について(事務連絡、24年10月31日発出)

このQ&Aでは、例えば以下のような見解が示されています。

  • 「サービス付き高齢者向け住宅」のうち、「特定施設入居者生活介護」または「地域密着型特定施設入居者生活介護」とみなされるものは、報告対象に含まれる。
  • 居宅療養管理指導や介護予防支援は報告の対象外である。
  • いわゆる「みなし指定」の保険医療機関等であっても、会計年度中に受け取った介護サービスの対価が100万円超の場合は報告対象となる(介護サービスに関する部分のみ、医療分と分けて報告するのが困難な場合は合算した内容の報告でも可)。
  • 会計監査を実施するため、報告期限(決算終了後3カ月以内)に間に合わない場合は、監査終了後早急に報告を行えば差し支えない。※事前に管轄都道府県への担当部局に相談が必要。
  • 「廃止」となった事業所の経営情報についても、事業者からの報告が必要。
    例えば、会計年度が4~3月の事業所における25年度(25年4月から26年3月までの期間)の報告について、25年4月1日から26年3月31日までの間に介護サービス事業所を廃止した場合、サービスの対価が会計年度に100万円を超れば、報告対象となる。
  • 介護サービスと介護予防・日常生活支援総合事業の両方を提供している事業所で、総合事業に関する収益や費用を他の介護サービスと会計上区分していない場合には、総合事業に関する部分を除外せずに報告しても差し支えない。
    ただし、この場合、総合事業サービスのデータが含まれていることについて、別途システム上で入力していただく必要がある(総合事業そのものは報告対象外)。
  • 「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」へのログインに必要な情報は、24年秋頃を目途に周知する予定。
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