【厚労省】2018年度の実地指導・監査の結果

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※「実地指導」は2022年4月から「運営指導」に名称変更されました。

2020年3月、介護サービス事業者に対する2018年度の実地指導、監査の結果が厚生労働省より公表されました。介護サービスの質の確保・向上を図ることを目的とする「実地指導」と、指定基準違反や介護報酬の不正請求などが疑われる場合に、資料の確認、立入などを行い、介護保険法に定められた権限を行使することがある「監査」、2018年度に実施されたこれらの結果を具体的に見ていきましょう。

指定取消・効力の停止処分のあった介護保険施設・事業所

○年度別の処分を受けた介護保険施設・事業所数

令和元年度全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 総務課認知症施策推進室資料

このように平成30(2018)年度は、前年度に比べ指定取消・効力の停止処分の施設・事業所数は減少しました。これは指定権限の移行などによって、実地指導の実施件数が減ったことも影響していると思われます。

○処分を受けた介護保険施設・事業所のサービス種別

令和元年度全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 総務課認知症施策推進室資料

サービス種別で見ると、「訪問介護」「通所介護」「居宅介護支援」が例年と変わらず多い傾向にあります。

注)以下のように分類しています。

・訪問系サービス

訪問介護、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、第一号訪問事業

・通所系サービス

通所介護(地域密着型含む)、認知症対応型通所介護、第一号通所事業

・入居系サービス

介護老人福祉施設(地域密着型含む)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、特定施設入所者生活介護(地域密着型含む)、認知症対応型共同生活介護

・その他

短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、(看護)小規模多機能型居宅介護、第一号生活支援事業

指定の取消・効力の停止処分の事由

○指定の取消・効力の停止処分で、最も多いのは『不正請求』

分類されている事由の中で最も多いのは、『介護給付費の請求に関して不正があった』となっています。こちらも例年と変わらず多い事由となっています。

事由 指定の取消の事由 効力の停止の事由
不正請求 29.50% 33.30%
法令違反 11.50% 21.90%
虚偽報告 11.50% 5.70%
虚偽答弁 10.80% 1.90%
虚偽申請 7.90% 8.60%
運営基準違反 5.80% 6.70%
人員基準違反 4.30% 5.70%
人格尊重義務違反 0% 4.80%
その他 18.70% 11.40%

○事由の内容

・不正請求

介護給付費の請求に関して不正があった。

・法令違反

介護保険法その他保健医療若しくは福祉に関する法律に基づく命令に違反した。

・虚偽報告

帳簿書類の提出命令等に従わず、又は虚偽の報告をした。

・虚偽答弁

質問に対し虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げた。

・虚偽申請

不正の手段により指定を受けた。

・運営基準違反

設備及び運営に関する基準に従った、適切な運営ができなくなった。

・人員基準違反

人員について、厚生労働省令で定める基準を満たすことができなくなった。

・人格尊重義務違反

要介護者の人格を尊重する義務に違反した。

・その他

上記以外の事由による。

指定取消・効力の停止処分による介護報酬の返還額

○指定取消・効力の停止処分による返還額は『約8億円』

平成30(2018)年度の指定取消・効力の停止処分のあった介護保険施設・事業所、153事業所のうち、83事業所は介護報酬の返還を伴う処分になっています。その総額は7億9千7百万円であり、法人の経営に大きな影響を受けることになります。

最後に

介護サービス事業者に対する指導監督は、制度に基づいた良質なケアが提供されるために必要なことです。実地指導については、標準化・効率化が図られるための運用指針が定められるなどの取り組みが進む一方で、不正事案に関しては厳正な対応を行うこととされています。

適正な介護事業の経営のために、該当する法令等を理解して、実地指導のポイントや傾向を知り、自己点検に活かしましょう。

図:令和元年度全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 総務課認知症施策推進室資料をもとに作成

※本記事は「介護マスト」から移行しており、記事は2020年4月2日掲載のものです。

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