介護保険サービスの利用者負担を原則2割にした場合、何らかのデイサービス(通所介護)の見直しを行う利用者は約3割にのぼる―。日本デイサービス協会は7月、こうした調査の結果を公表しました。
さらに、ケアマネジャーを対象とした別の調査からは、9割超の回答者が利用者負担の増加によって介護サービスの利用が減少すると考えているということも読み取れます。
利用者負担の在り方は、次期介護保険制度改正を巡る検討でも焦点となっています。事業者としては仮に原則2割負担が現実になった場合を想定し、具体的な対策を考えておく必要性がありそうです。
今回、日本デイサービス協会が「自己負担原則2割導入における利用者意向アンケート」 を実施した背景には、2022年4月13日に行われた財務省の諮問会議(財政制度等審議会・財政制度分科会)でのある提言があります。
利用者負担については、2割・3割負担の導入を進めてきたが、今般の後期高齢者医療における患者負担割合の⾒直し等を踏まえ、
①介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ること ②現役世代との均衡の観点から現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すこと
について、第9期介護保険事業計画期間に向けて結論を得るべく、検討していくべきである。
(“ 2022年4月13日財政制度分科会資料1社会保障 ”より引用)
現在一定の所得金額があるために2割・3割負担をしている利用者は9%にとどまり、残りの約90%は一割負担となっています。
日本デイサービス協会はこれを受け、「単純に自己負担額が倍になることでサービスの利用控えが発生し、本来の自立支援に向けた取組に大きな影響がでることが懸念」されると説明してます。そこで、加盟事業者が運営する全国255事業所の協力を得て3,020名の利用者および家族にアンケートを実施し、その結果を公表しました。
*財政制度等審議会・財政制度分科会に関連する過去の記事は こちら
それでは、アンケート結果を詳しく見ていきましょう。
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