2025年問題、いわゆる「団塊の世代」の方々が全員後期高齢者となるまでの高齢者の急増とその後に起こる現役世代の急減によって、様々な問題が顕在化することが危惧されています。
中でも、介護現場を支える「人員の確保」の重要性が叫ばれており、厚生労働省は、第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について、2025年度には約243万人もの介護職員数が必要であると公表しています。
(厚労省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html)
介護現場における人材不足問題が深刻化する一方、人材不足問題解消の一手段として注目された外国人労働者も、長引くコロナ禍で思うように来日できておりません。
こんな中、介護事業者を専門的に支援している我々弁護士法人かなめでは、以下のようなトラブル事例の相談を受けることが多くなっています。
管理者A:もしもし、デイサービスかなめ(仮称)ですが。
求人サイト会社B:こちら求人サイト運営会社のBです。今、御社では介護人材不足に悩んでいませんか。
A:もちろん悩んでいますよ。求人を出しても全然応募もきませんし。人材紹介会社を経由して採用すると、とてもコストもかかりますし、困っています。
B:今なら良い方法がありますよ。2週間無料で求人サイトに求人情報を載せられます。無料ですから、一度試してみませんか。
A:えっ、無料ですか。それはとても有難いサービスですね。どのように申し込めば良いのでしょうか。
B:今からFAXで申込み用紙を送りますので、そちらで申し込んで頂ければ大丈夫ですよ。
A:分かりました。
・・・約1カ月経過
A:なんの請求書だろう。開封してみよう。 え!?20万円?無料って言ってたじゃないか!どういうことだ、Bに問合せてみよう。
B:無料の掲載期間が終了していますから、当然、有料契約に移行していますよ。きちんと支払って下さいね。
A:そんな、きちんとした説明も無かったじゃないか!こんなの詐欺じゃないか。
B:FAXの申込み用紙に、2週間経過後は自動的に有料になることが書いてありますよ。
A:そんな細かな部分をきちんと読んでないよ・・・。どうしよう・・・。
このようなトラブルに巻き込まれた介護事業所からの法律相談が増えています。
経営者が自らこのような求人サイトへの無料申込を行うケースも勿論ありますが、印象的なのは、会社としてではなく、会社が運営する一事業所の管理者が会社に事前の許可を取ること無く勝手に申し込んでしまうケースが目立つことです。
弁護士法人かなめ代表弁護士。29歳で法律事務所を設立。 現在、大阪、東京、福岡に事務所を構える。顧問サービス『かなめねっと』は35都道府県に普及中。 福祉特化型弁護士。特化している分野は、介護事業所・障害事業所・幼保事業所に対するリーガルサポート、労働トラブル対応、行政対応、経営者支援。 無料で誰も学べる環境を作るためYouTubeチャンネル『弁護士法人かなめ - 公式YouTubeチャンネル』を運営中。https://www.youtube.com/@kaname-law テキストで学びたい人向けに法律メディアサイト『かなめ介護研究会』も運営中。 https://kaname-law.com/care-media/